カテゴリーアーカイブ:仕事の仕方

「常に考え続ける人間」の育成

2018年12月25日   岡本全勝

12月17日の朝日新聞夕刊「凄腕つとめにん」は、ストレッチトレーナーを育成する橋誠さんでした。これまでに育てたストレッチトレーナーは、約2000人だそうです。

・・・筋肉を伸ばしたり関節の可動域を広げたりする同社独自の技術は約90種類に及び、研修生に1日約6時間、1カ月にわたり教え込む。ただ、最も重要なのは「常に考え続ける人間」の育成。客の生活背景や習慣を聞いて体の不調や悩みを把握し、その都度最適なストレッチを提案する仕事だからだ。

研修では、具体的な接客場面を想像させる工夫をこらす。「デスクワークで肩に不快感を感じるお客さんいるでしょ」。前腕のストレッチ後、研修生に切り出した。座り仕事で、大胸筋が縮み僧帽筋が突っ張る。これが原因にみえるが、パソコンを打つ腕の負担が影響している可能性もある。「『だから腕も伸ばしましょう』と提案したら、お客さんの心をつかめるかも」。こんな助言を通じ、考え続けることの重要さを伝える。

「心遣い」の大切さも教え込む。手首をつかんで腕を持ち上げるのと、下から支えて持ち上げるのでは、相手の印象は全く違う。「ストレッチの効き方にも影響する」という。研修の終盤、合否を決める検定では自ら研修生のストレッチを受ける。「俺の心に響いたか。最後はそこで判断します」・・・

マティス国防長官の辞任

2018年12月22日   岡本全勝

アメリカのマティス国防長官が、辞任することになりました。
「トランプ米大統領は20日、マティス国防長官が2019年2月末に辞任するとツイッターで発表した。米軍のシリア撤退など政策を巡る見解の相違が理由だ・・・
・・・マティス氏もトランプ氏宛ての辞表の内容を公表した。そのなかで「強力な同盟関係の維持や、彼らへの敬意をなくして国益を守ることはできない」と表明」と、日経新聞は伝えています。

そのマティス国防長官の書簡で、肝になる文章は次です。
・・・Because you have the right to have a Secretary of Defense whose views are better aligned with yours on these and other subjects, I believe it is right for me to step down from my position.・・・
マティス国防長官からトランプ大統領あての書簡原文

「あなたは、これらの点について、あなたの考えにより近い人物を国防長官に据える権利があります。だから私は身を引く時だと考えています」
マティス国防長官からトランプ大統領あて書簡(日本語訳、日経新聞)

書簡のその前段には、次のような記述があります。
「同様に戦略的利益が我々の利益と衝突することが増えた国に対しては、我々のアプローチを断固かつ明確なものとしておく必要があります。中国やロシアが自国の利益を追求するために経済・外交・安全保障に関する他国の決断を否定し、権威主義的な政治モデルと整合的な世界をつくりだしたいと望んでいるのは明らかです。だからこそ、我々は共同防衛に向けて、あらゆる手段を尽くさなければならないのです。
同盟国に敬意を払い、悪意に満ちた者や戦略的な競争相手に注意を払うべきだという私の考えは、こうした問題に取り組んだ私の40年以上(の経験)に基づき、培われたものです。我々の安全保障や繁栄、価値観に最も資する国際秩序を推進するためにできることは全てやるべきです。我々は同盟という結束によって強くなるのです」

上司と見解が異なった際に、どのような行動をとるかの一つの見本です。
この文章には、「私は間違っていた」といったことは書かれていません。「あなたと考え方が違う」ということを、上品な言い方で表現しています。そこでは、「合衆国の歴史と私の考え方が正しい」=「大統領が間違っている」と表明しているのです。
この項続く

外の人との議論が新しいアイデアを生む

2018年12月13日   岡本全勝

12月13日の日経新聞夕刊「私のリーダー論」は、山本良一 J・フロントリテイリング社長の「異分子を交ぜ、変革を生む」でした。

・・・「当社は大阪・梅田や札幌の店などで、百貨店のビジネスモデルを転換してきました。従来と同じ業務であれば、同じ価値観、言語、考え方で百貨店事業をブラッシュアップしていけば強くなれます。でも、現在の競争相手は百貨店だけではありません。インターネット通販であったり、アウトレットだったり、ありとあらゆる業態との競争を迫られています。かつてと同じやり方では、たぶん競争に勝てないでしょう」
「銀座の店舗については百貨店はやらないと宣言しました。ではどういう施設にするか。一緒に取り組んだのが森ビル、住友商事、仏高級ブランドのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)が出資する不動産会社の3社でした。我々と全然違う価値観、育ち方をしている人たちと、私も含めて当社の社員が議論をするわけです。火花が飛びますよ。でも、そこにエネルギーが生まれ、どんどん発想が広がっていきました」

――激論を交わしたと。
「そうです。摩擦が起き、火花が飛んで、新しいものが生まれる。そのほうがずっといいと思う。もし社内だけのプロジェクトだったら、私が百貨店をやらないと言っても、百貨店に近い施設になっていたと思います。同じ業界の人間からは違う発想は出にくい。森ビルや住友商事とは考え方が違います。いろいろなことを理解し合いながら、お互いのノウハウを勉強することができました」

――他社との協業や外部人材の採用などを「異分子結合」と呼んでいますね。
「社長になってからカードなど金融ビジネスの強化を掲げました。ところが、従来のメンバーでは新しい発想が出てこない。そこで、外部から専門性を持つ幹部を連れてきました。組織の中で違和感を持つ人もいましたが、斬新なアイデアが生まれてきています」
「百貨店事業では優秀な人材ですばらしい能力を持っていても、IT(情報技術)など他の分野はわからない世界です。そこに専門的な人材を入れる。価値観や仕事のやり方が違う人材を入れて、新しいものを作り出す。協業を含めて、そういうことを私は異分子結合と呼んでいます。社員にも、外に行ってこい、百貨店とは関係のない多様な人材の話を聞いてこい、とよく言っています。今の時代は大変革期ですし、過去の延長線上に未来がないのは確かですから」

同感です。身内同士で議論をしても、その枠を超えた話は出て来ません。異業種と交流することで、新しいアイデアが出るのです。
もちろん、その中には役に立つものと、役に立たないものがあります。それを見極めるのは、本人のあるいは上司の責任です。
また、身内の者が枠を超えた発想を発言をしたら、排除されるでしょう。部外者が言うと、同じ内容でも「なるほど」と納得してもらえる場合もあります。

「まず出来ますと言え」

2018年12月12日   岡本全勝

日経新聞12月9日の日曜版に、石原和幸さんが特集されていました。石原さんは、イギリスのチェルシー・フラワー・ショーで、10回も金賞に輝く庭園デザイナーです。
この仕事に転身する前に、花屋の経営に失敗し、大きな借金を背負いました。

配達先のお客に「庭はできるの?」と聞かれ、「できます。得意です」と即答したそうです。
・・・実際はど素人で、ホームセンターに駆け込んでレンガの積み方を勉強した。盆も暮れも庭を造り続ける。「『ほんとに頼むんかい』って思うような注文も、なんとかやり方を考える。アイデアマンになれたのは、借金のおかげです」・・・

仙谷由人先生お別れ会

2018年11月30日   岡本全勝

今日は夕方から、ホテルニューオータニで開かれた、仙谷由人元衆院議員のお別れの会に行ってきました。
東日本大震災が起きて、被災者生活支援本部を立ち上げた時、その事務方の責任者に私を指名してくださったのが、仙谷官房副長官でした。

官邸に呼ばれ、「何をするのですか」と質問した私に、「それを考えるのが君の仕事だ」答えられました。
その後の被災者支援活動や支援本部の運営について、全面的に私に委ねてくださり、支援してくださいました。官僚の使い方をご存じでした。
いろんな出来事がありました。それを思い出していました。
ご冥福をお祈りします。