日本では、行政が個人を把握する制度が、いくつかあります。一つは戸籍です。これは、国家が、個人の身分関係(出生、親子、夫婦関係など)を登録するものです。もう一つは住民基本台帳です。これは、地方自治体が住民を把握し、行政サービスの基礎とするためのものです。そして外国人には、別に外国人登録制度があります。
ところで、平成24年7月までに、外国人住民も住民基本台帳に載るようにする改正されます。これまでは、日本人と外国人を分けて把握していたのです。市町村が行政サービスをする際に、外国人住民を十分に把握できませんでした。そこで、外国人住民も住民基本台帳に載せるように変えることになりました(詳しくはこちら)。
これまでの登録制度は、外国人を「管理」するためでしたが、「住民としてサービスするために把握する」ものに変わるのです。これについて、「外国人住民を日本人と同様に扱い、地域社会の構成員として共生する基盤ができる」という評価もあります。外国人も、地域の住民として同様に扱うということです。こんなところにも、古い考え方が残っていたのですね。
この改正を議論した研究会の報告書(平成20年12月)に、興味深い数字が載っています。少し古くなりますが、紹介します。外国人登録者数は215万人で(平成19年末)、総人口の2%です。この数字は、10年間で1.5倍に増加しています。国際結婚は17組に一組です。