28日朝日新聞「加藤駐米大使、離任前に聞く」「リスク・ゼロ外交、転機」から。
「大使は日本が国際社会で役割を拡大するに伴い、もっとリスクを取るべきだと主張しています。具体策は」という問いに対して。
「日本のこれまでの外交は、最小のコストで最大の利益を上げたという意味で、まれにみる成功例だった。ただ、今後は日本として打開すべきものがあると思う。
軍事作戦に参加して死傷者を出せと言っているわけではない。が、国際的により高い評価を得るためには、これまでやらなかったことで少し踏み込むことがあってしかるべきではないか。国連平和維持活動(PKO)も含まれるだろうが、環境、経済協力の問題も、安全とは絶対に切り離せない時代になってきた。「リスク・ゼロ」も一つの選択肢だが、日本人はおそらく満足しないと思う。」
私は今、大連載で、戦後日本の成功の裏で、日本の政治が何をしなかったかを書いています。連載ではすでに書きましたが、日本の政治がしなかったことの代表例は、国際的には人的貢献で、国内では増税です。二つとも、負担を避けたのです。国際貢献は、徐々に方向転換しつつあります。詳しくは、連載の第3章三で述べます。
2日の日経新聞経済教室は、岩本康志教授の「ねじれ国会の政治経済学」でした。アメリカで大統領支持政党と議会多数派が一致しない場合が多いことを取り上げて、分析しておられます。