1日の読売新聞文化欄に、『東アジア人文書100』(2011年、みすず書房)が取り上げられていました。日本、中国、韓国、台湾、香港の編集者が、それぞれの国や地域の優れた人文書を選び、紹介するガイドブックです。
江戸時代まで日本は、中国や朝鮮から、たくさんの文化を学びました。漢文、漢詩、書道、中国の古典と歴史、特に論語は、日本人の素養でした。明治以来、日本は「脱亜入欧」、西欧にお手本を乗り換えました。そして、近隣諸国の事情には疎くなりました。私たちは、西欧の指導者や学者、芸能人の名前を何人も挙げることはできますが、アジアの近現代の人の名前は一部の人を除いて知りません。
東アジア各国が経済発展を遂げ、日本との経済社会的な格差が縮まりました。ようやく、日本がアジアを「同じ平面で」見るようになった、ということでしょう。韓国ドラマや芸能人の日本での流行がよい例ですが、小説などはまだのようです。
先日紹介した「政権交代の先進国」(2010年12月13日の記事)も、西欧を見なくても、近くに先例があるということでした。昨日、在東京韓国大使館の知り合いの外交官と、お話しする機会がありました。こんなに近いのに、私には知らないことが多いです。社会の仕組みについて、いろいろ教えてもらいました。文化的背景の違う西欧より、ずっと勉強になると思いました。