18日の日経新聞経済教室は、林正義准教授の「急務の生活保護改革」「老人・医療を別体系に。地方は就労支援で独自性を」でした。
生活保護が地方の事務になっている国は珍しくないが、現在の日本の制度では地域間で給付水準の引き下げ競争が起きるなど、問題がある。
日本の生活保護の問題点は、次の3点。
1 保護費の半分以上が医療扶助であり、日常生活の経費は半分以下。
2 受給世帯の8割が、高齢者、疾病・障害者。
3 就労可能な世帯は2割以下であるが、この部分に関しても労働保険や失業手当が充実しておれば生活保護の守備範囲は狭くなる。
このように、生活保護以外の安全網が狭く、生活保護が性格の違う対象を丸抱えしている。そのために、次のような改革が必要である。
1 現状の制度のままでは、中央による地方への財源保障と統一的な給付基準の設定が必要。
2 医療や高齢者対策といった別の対象者について、それぞれの安全網を広げるべき。
そして地方のメリットを生かせる分野は、受給者の就労支援である。
説得力ある論文です。詳しくは、原文をお読みください。