歩きスマホに見る日本

鉄道各社が「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを実施しています。共通ポスターは、わかりやすいです。みんなが、スマホをのぞき込みながら歩いています。私は、この光景が今の日本を象徴しているように見えます。そして未来をも。

1「いま、ここ、わたしだけ」
スマホを見るのはとがめませんが、歩きスマホはやめて欲しいです。危ないです。
他人のことを気にかけず、自分の興味を優先する。それは、歩きスマホだけでなく、電車の中でもです。足の不自由な人や高齢者が乗ってきても、気づかず、知らんふりをして、画面に夢中になっています。困ったことです。

2 姿勢の退化
人類の進化を示す図があります。猿が、手を握って地面につけて歩きます(ナックルウオーク)。類人猿しだいに立ち上がり、猫背で歩きます。そして人類が直立歩行をします。その姿を、側面から図示したものです。
ところが、歩きスマホは猫背になって、人類が退化しているように見えます。超長期には、このようになるのでしょうか。

3 思考の変化
スマホ画面に夢中になるのは、人間の興味を引きつけるような内容だからです。刺激の連続です。そこには、ゆっくりと考えることがありません。また何かに悩んだときに、考える前にスマホで検索します。一定の答えが出ます。それは、まちがいかもしれません。しかしそれで満足して、それ以上の考えには進みません。
若者が新聞や本を読めなくなったとも言われます。スマホに依存することで、「待つ」ことができない人間も増えるでしょう。
川北英隆先生「スマホ見歩きのマイナス効果