最低賃金では、従業員が集まらない

8月30日の朝日新聞に「最低賃金では、もはや人が来ない 観光地、活況でも人手不足 「仕事逃す」時給上げても募集」が載っていました。

・・・全都道府県の最低賃金(時給)の改定額が、激しい引き上げ競争の末に決まった。ただ、最低賃金水準ではもはや働き手が確保できず、最低賃金を大きく上回る時給での募集も目立つ。

全国有数の観光地・奈川県箱根町。今月のお盆期間中、箱根湯本駅前の商店街は国内外の観光客でにぎわっていた。「2019年以降、地震や台風の被害、新型コロナと続いた。ようやく長いトンネルを抜けつつある」。同町観光協会の佐藤守専務理事はそう評価しつつ、「コロナで離職者も多く、今は人手不足が深刻だ」と語る。
箱根町を管轄するハローワーク小田原の求人(6月分)で最も多いのはサービス業で、パートの有効求人倍率は3倍近い。募集時給の下限は平均1311円で、現状の最低賃金(1112円)より199円も高い。
神奈川県の最低賃金審議会は今回、国側の目安通り50円増の1162円に引き上げた。審議の場で、使用者側は大きな不満を述べるというよりも、「仕事が目の前にあっても見送らざるをえないことがある」と人手不足を訴えた。
採決でも、使用者側は一人も反対しなかった。10年度以来、14年ぶりの全会一致だった・・・

Q 日本の最低賃金は他の国と比べてどうなのか。
A 労働政策研究・研修機構の調査によると、先進国の中で低水準だ。1月時点では、日本はオーストラリア、ドイツ、英国、フランスの半分程度で、カナダ、米国、韓国よりも下回っている。

各国の最低賃金(2024年1月1日、円換算)が図で載っています。オーストラリアが2241円、ドイツが1943円、イギリスが1893円、韓国が1082円、アメリカ(連邦)1040円。日本は1004円です。