朝日新聞1月31日の論壇時評、小熊英二さんの「富山=北欧論争 リベラルは上滑りなのか」から。
小熊さんは、井手英策さんの『富山は日本のスウェーデン』(2018年、集英社新書)を紹介したあと、次のように述べています。
・・・もっとも井手は、富山のこうしたマイナス面も著書に書いている。そのうえで彼は、スウェーデンもかつては家族総出で働く保守的で家父長制的な社会だったこと、西欧をモデルにするばかりではいけないことを指摘し、こう述べている。
「リベラルの議論がどうしてもうわうすべりな感じがして仕方ないのは、社会の根底にある土台、風土や慣習のようなものと、そのうえに据えられる政策とがうまく噛みあっていないからではないか・・・保守的な社会の土台を見つめ、その何が機能不全となり、何が生き残っているかを見きわめる。そしてその土台にしっかりと根を張れるような、まさに地に足のついた政策をリベラルは考える責任がある」・・・
私はこの指摘に納得しているのですが、小熊さんは、井手さんの主張を批判しています。原文をお読みください。
いつものことながら、古くなって恐縮です。書こうと思って、切り抜いてあったのですが、他のことにかまけていて。資料にしろ本にしろ、すぐに他の資料の中に埋もれて「行方不明」になってしまいます。それが、ひょっこり出てきて・・。