6月16日の朝日新聞オピニオン欄「熟議は幻想か」、大山礼子・駒沢大学教授の発言から。
・・・議院内閣制における国会とは、立法府として内閣や議員が出す法案を審議し、修正するための場です。実際、フランスやドイツなどでは、政府が出した法案を一条ごとにチェックするなど実質的な審議がされる。与野党の指摘で頻繁に修正が行われています。
ところが日本では、政治論戦や日程闘争ばかりで、実質的な審議が深まりません。なぜか。最大の原因は、与党が法案を「事前審査」し、そもそも国会で修正するつもりがないところにあります・・・
・・・国民の目に見える形で、国会で与野党による法案の審議と修正が行われるようにするには、どうしたらよいのか。私は、欧州諸国のように内閣がいったん国会に出した法案を修正しやすくすることが変化の契機になると思います。
日本の国会法では、内閣が出した法案を修正するには、国会の承諾が必要です。もし内閣が修正を申し出ても、国会が承諾しなければ、内閣は修正案を出せません。そのため、内閣は事前審査と原案通りの成立にこだわり、与党もそれを受け入れる関係が定着してきました。
諸外国でも、政府と与党が事前相談はします。ただ、国会提出後も内閣が自由に修正できるため、日本ほどガチガチには固めません。与党議員も事前に法案を固めない分、国会で法案修正を求めることが多く、野党の指摘も反映される余地も生じます・・・
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