『男はなぜ孤独死するのか』

6月29日の日経新聞の書評欄に、多賀太・関西大学教授が「『男はなぜ孤独死するのか』トーマス・ジョイナー著 失う関係性 再構築のために」を書いておられました。

・・・米国では年間の男性の自殺者数は女性の4倍近い。日本でも1998年以降、男性の自殺者数は毎年女性の約2倍かそれ以上だ。いったいなぜなのか。本書によれば、その謎を解く鍵は男性の「孤独」にあるという。そういえば、日本では「孤独死」も圧倒的に男性に多い。単身で暮らす高齢者男性は女性の約半数だが、孤独死する高齢者男性の数は女性の約5倍とのデータもある・・・

・・・青年期までは友人に恵まれていても晩年になると孤独に陥る男性は少なくない。そこには複数の要因が関わっている。
まず「甘やかされる」こと。子供の頃も大人になってからも、男性は女性に比べて対人関係を築く努力をしなくても他人(特に女性)から気遣ってもらいやすい。この特権の上に胡座(あぐら)をかいている間に、男性は人間関係を築き維持するスキルを学ぶ機会を逃し、そのツケは晩年に回ってくる・・・

大震災の仮設住宅でも、孤立するのは、圧倒的に中高年の男性です。それを防ぐためにいろんな催し物をしても、出てきてくれません。町内会を立ち上げるような会合でも、出席者は女性ばかりで、男性は少ないのです。
これも、男性は働きに行くという昭和の通念(家庭や地域より職場を優先する意識。しかもそれが上位だという意識)、家庭での男尊女卑の慣習の悪い結果かも知れません。「幸福はよき人間関係から

本を読まずに書評を引用するという「手抜き」ですみません。何かと忙しく、こんなズルをしています。最近読んだ本で取り上げたいものもたくさんあるのですが、整理が追いつきません。そのうちに、読んだ内容を忘れてしまいます。