4月7日の日経新聞私の履歴書、野路國夫・元コマツ社長の「アトランタ 入社8年、念願の海外赴任」から。
・・・住んだのは、会社が借り上げた郊外の立派な屋敷だ。15畳ほどの大きなリビングルームと4つのベッドルーム、広々とした庭もあった。もちろん若輩の私がそんな豪邸を独り占めするわけはなく、日本から来る出張者を泊めて、面倒を見るお世話係の役目も兼ねていた。
多くの出張者に接するうちにあることに気がついた。アトランタには当時の河合良一社長はじめ様々な人が来たが、偉い人ほど優しいのだ。社長からはねぎらいの言葉を頂き、技術部門のトップだった本部長は妻子から預かった手紙を持参してくださった。
ところが部課長クラスにはやたらと威張る人もいて、「飲み屋に案内しろ」「もっと楽しい場所へ連れて行け」と好き勝手を言う。顔では笑って対応したが、内心では「管理職になっても、こんな振る舞いは絶対にしない」と自分への戒めにした・・・