家庭の収入による子の体力格差

11月18日の朝日新聞スポーツ欄「子の体力格差、家庭の収入が一因に」から。
・・・収入が少ない家庭の子どもほど体力がない――。そんな「スポーツ格差」があることが、筑波大の清水紀宏教授(スポーツ科学)の研究チームによる実証研究でわかった・・・

清水教授の発言
「収入が高い家庭の子の方が、低収入家庭より、体力テストの総合点が高い。地域クラブや民間のスクールといった学校外スポーツプログラムへの加入率も同傾向でした。特にシャトルランと50メートル走で差が顕著です。運動習慣や頑張ったら褒められる環境で育っているか、が関係するのかもしれません」
「スポーツの習い事化が進む中、家庭の経済的な条件による格差が確認されたことで政策的な提言もできると思います。特に、格差が幼児段階から現れていることに注目すべきです。親頼みになる就学前のスポーツ習慣にも焦点を当てる必要性がわかったからです。格差は学年の進行とともに広がっており、幼少期のスポーツ投資の成果が蓄積されると推察されます」
「体力が高い子は、『何でも話せる友だちや仲のよい友だちがいる』と回答する率が高いのに対し、体力が低い子は孤独を感じている傾向がみられます。休み時間を、体力が低い子は、教室で一人で過ごす傾向がある。学校生活が心身発達のベースになることを考えると深刻です」