行政の役割、育成と規制

1月8日の読売新聞が「保育改善指導公表1割」を大きく伝えていました(古くなってすみません)。
記事によると、保育施設への検査権限を持つ121自治体(都道府県、政令市、中核市)のうち、改善を指導した施設名と指導内容を公表している自治体は11団体で、1割に満たないことが、読売新聞の調査で分かったそうです。

保育施設での子供の事故が相次いでいます。そこで、市役所が調査に入り改善指導をします。問題は、ここからです。その指導内容を市役所が公表していないのです。
理由は、人手不足で余裕がない、保育施設の運営を妨げる、保護者の不安をあおるなどです。
しかし、改善指導をしているなら、それだけの事実と理由があるはずです。
子供を預けている保護者からすると、そのような情報は開示してもらいたいです。保育施設は、指導に対しどのような改善を行ったかを答えるべきでしょう。

業界を相手にした行政では、これまではその育成が任務でした。ところが、利用者の立場に立つと、育成とともに規制もしてもらわなければなりません。一定基準を満たすように、規制することです。
教育において、提供者側の学校や教師、学校法人を相手にするのか、利用者である生徒や保護者を相手にするのかで、視点が変わってきます。

提供者育成は、相手や業界団体があると比較的簡単です。補助金を出す、法令や指導を行うことです。ふだんからのつながりもできます。
それに対し、利用者は多数ですから、相手にするには違った行政手法が必要となります。