朝日新聞1月29日オピニオン欄、柳原三佳さん(ノンフィクション作家)の発言「車の保険、組員排除は危険」から。
・・自動車保険の約款に、暴力団員と契約しないという条項を加える損保会社が増えています。任意保険に入らないままハンドルを握る組員に事故を起こされたらどうなるのか。被害者救済という観点から、多くの問題があると言わざるを得ません・・
例えば信号待ちで停車中、無保険の組員に追突されてしまったとします・・このケースでは、被害者が直接、保険を使えず自腹を切ることになる組員と交渉することになりますが、それがいかに困難であるかは明白です・・
損保会社が、暴力団による保険金詐欺を防ぎたいという事情も、悪質な運転で事故を引き起こすような組員に保険金を支払いたくないという気持ちも理解できますが、被害者救済のためにも、対人・対物といった賠償保険だけは引き受けるべきです。保険から暴力団を徹底的に排除するのであれば、その前に、組員に免許を与えない、車を売らない、車検も通さないという取り組みをすべきでしょう。順序が逆です・・