引きこもり対策

9月18日の朝日新聞オピニオン欄は、「引きこもり1割の町」という表題で、秋田県藤里町の社会福祉協議会事務局長さんのインタビューでした。
「町内の現役世代の1割近くが引きこもり」という実態調査を公表したのです。
・・藤里町は決して、引きこもりが多い町ではありません。注目を集めているのは、引きこもりの実態をここまで調べた市町村が他にないから。他の自治体でも、実は同じぐらいの比率でいるのかもしれません。
引きこもり、というと「部屋から一歩も出られず、家族とさえコミュニケーションできない」と思われがちですが、実際にはそうした人は少数ですし、福祉よりもまずは治療が必要です。私たちが働きかける人々の多くは、そういうイメージでは捉えきれない人です・・
ぜひ、原文をお読みください。
私は、これからの行政の対象は、物ではなく人の関係が課題になると考えています。拙著『新地方自治入門』でも書きましたが、特にそれを強調したのが、拙稿「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」(月刊『地方財務』2007年8月号)です。引きこもりやニートを考え、学校に行かない・行けない若者や会社に属さない人たちに対して、日本の行政が冷たいことに気づきました。「勝ち組」を育てる仕組みが中心で、そこから漏れ落ちた人「負け組」には冷たいのです。
学校になじめず、退学すると、教育委員会も町役場も相手にしてくれません。次に関わるのが警察では、あまりにその間が広すぎます。

記事にも出てきますが、「地域若者サポートステーション」という支援の仕組みがあります。厚労省のサイトの下に概念図が出ています。行政の各機関が民間団体と協力して、一人の人を支えるのです。私は、これからの行政の一つの「かたち」だと考えています。まだあまり知られていないようですが、これから重要な行政分野になるでしょう。