東大出版会PR誌『UP』4月号に、齋藤希史先生が「走馬看花」を書いておられました。この四字熟語は駆け足で観光するという意味ですが、その典拠である、孟郊の唐詩「登科後」についてです。
昔日齷齪不足誇
今朝放蕩思無涯
春風得意馬蹄疾
一日看尽長安花
インターネットで「登科後」を検索したら、たくさんの方が書いておられます。例えばこれ。
試験に受かって、このような晴れ晴れとした気分になった人も多いでしょう。特に、作者の孟郊は40歳を超えて、超難関の科挙に合格したのですから。
もっとも、合格したら終わりでなく、仕事場では次の苦労が待っているのですが。合格したばかりの若者に、それを言うのは酷ですね。
毎日あくせくしている私には、前の2行(起・承)のような感慨にふけることができる日が、いつ来るのでしょうか。