昨日の続きです。
日本では、二大政党制と多党制については、17年前の選挙制度改革の際に、大きな議論になりました。当時の衆議院選挙は、中選挙区制でした。同じ党から、複数の候補者と当選者が出ます。たとえば5人区では、自民党が2~3人の当選者を出します。無所属を含め(当選後、自民党になります)それ以上の候補者を立てるのです。そこでは政策の争いでなく、サービスの争いになることが批判されました。
政策の争いにしよう、政党が責任を持つようにしようという意図で、現在の小選挙区制を基本として、比例代表制を組み合わせた制度になりました。
小選挙区制が二大政党制を導き、比例代表制が多党制を導きます。後者は前者に比べ、多様な利害を反映することができますが、政権は不安定になりがちです。多くの場合連立政権にならざるを得ず、その過程で政策協議が必要になります。
すなわち、比例代表制では、国民の中にある多様な利害がそのまま議席に反映され、国会の中、政党間の協議で、利害を集約することになります。他方、二大政党制は、国民にある多様な利害を、2つの政党内で集約させざるを得ません。
その際、政権党は議会で多数を握っているので、政権党内で決まったことは、そのまま国会と内閣の決定になります。国会での議論より、事前の政権党内での議論が重要になるのです。これは自民党が政権党であったときも、同じでした。党内(政策審議会など)での議論、その報道が価値を持ったのです。連立政権の場合やねじれ(参議院で多数を持っていない)の場合は、他党への配慮が必要となります。