喜安朗著「パリ-都市統治の時代」(岩波新書、2009年)を読みました。パリという町が、王政の支配下に入り、さらに革命を経て、近代的国家の支配に引き継がれる過程を、描いています。
絶対王政が、分立していた権力を統一します。それは、都市においても同様です。本書では、別に、警察の強化という観点から、都市の統治を描きます。
さらに、そのような権力の視点だけでなく、地図の作成(都市の現状把握)、都市改造、上下水道整備、貧困層の調査など、行政サービスや機能を通じた都市の統治も描かれます。
また、いったん解体された中間集団が、再度復活して社会が安定することも、描かれています。もちろん中世的ギルドではなく、新しいアソシアシオンという形です。
都市の統治を、様々な観点から論じた、興味深い本です。新書ですが、読解するには少し力が必要な本です。