19日の朝日新聞に、アメリカの編集者であるステーリさんが、「日本の小説、海外に売り込む仕掛け必要。作品には世界に訴える力」を書いていました。日本の小説が英語に翻訳されて海外の書店に並ぶ機会は、とても少ないのだそうです。
・・日本の出版業界に欠けているのは、積極的なプロモーションだ。日本文学の英文情報を充実させ、海外の出版社に売り込めばいい。日本のアニメーションや漫画が欧米で受け入れられた結果、「日本の小説も若者に売れるのではないか」「村上春樹に続く大物を探そう」という考えが海外の出版社に潜在的にある。
・・ソニーやトヨタという工業製品に続き、和食や漫画が国際化した。次は日本文学の番だ。小説という日本の精神文化の世界に、海外の文学ファンを呼び込もうではないか・・
工業製品はモノであって、言葉がいらないから、性能で売れた。ポケモンは、暴力場面がないとともに、「ピカー」としか言わないから(日本語をしゃべらないから)海外で売れた、という説があります。もっとも、ピカチュウ以外の登場人物は、しゃべってますが。アニメや漫画は、絵とストーリーで理解でき、「深い言葉」がいらないので、日本語でも翻訳が簡単なのでしょう。
海外で闘わない「業界」に共通するのは、国内で一定の市場があり経営が成り立つこと、そしてそれに安住していることです。