道路特定財源の見直しが、議論になっています。道路整備のための税金が、来年度にも「使い切れず余る」見込みということです。余るのなら、①それほど税金を取らない、または、②別のことに使うのが、解決方法でしょう。この税金は、道路整備のためにということで、ガソリンなどに重くかけています。①説は、「その重課を引き下げるべし」となります。②にはいくつか案があって、道路関係の支出に広げる案とか、環境対策に振り向ける案のほか、これだけ赤字国債を出しているのだから財政再建に使うという案まであります。
ところで、これらの議論は国の財政で議論していますが、地方財政を含めると次のようになります。27日の朝日新聞朝刊には、道路特定財源の流れが出ていましたが、この図は全体像ではありません(以下、平成17年度の予算と計画額)。
まず、この図には出ていない、地方の道路特定財源があります。地方道路譲与税(国の揮発油税と同等のもの)3,072億円、軽油引取税10,556億円、自動車取得税4,655億円。よって、国の特定財源は36,234億円、地方の特定財源は22,197億円です。さらに、国は3.6兆円のうち、自分で使っているのが21,772億円、地方へ補助しているのが14,463億円です。すると地方の財源は、この補助分を入れて合計36,660億円となります。ここでも、収入は国が多く、使うのは地方が多いという構図になっています。
地方は、道路関係に65,938億円使います。すなわち、国では道路特定財源が余っているのに対し、地方ではまだそれ以外の財源も投入しています。ということは、税源移譲論者ならずとも、国の道路特定財源(税)を地方財源(税)に移譲すれば、この問題のかなりの部分が解決されます。
もっとも、私は、赤字国債縮減に使うのが一番だと思います。年金が破綻しそうだとか、後世に大きな赤字を残していながら、一方でお金が余っているとか、道路を作り続けるというのは、変ですよね。