昨日の続きです。統制の強い組織においては、部分と全体は、権限の配分になります。軍隊、会社などの組織で、出先にどこまで仕事と権限を与えるかです。
出先に仕事が委ねられていても、自由度がない場合は、分散でしかありません。国の出先機関が、これに該当します。この場合は、画一的に仕事が処理されます。それが好ましい仕事と、好ましくない仕事があります。そして、地方での問題がすべて中央に持ち込まれ、中央管理組織の負担が重くなります。
これに対し、日本国憲法において、地方自治は統治権の配分として認められています。分権です。地域のことは、地域で処理させるのです。もっとも現在の日本では、法律によって自治体の仕事が過度に縛られている=自由度がないことが、地域の活力・日本の活力を損なっていると認識されています。それが、より実質的な分権への要求となっているのです。
一方、統制の弱い組織内では、中央による統制と部分による自由活動とのせめぎ合いになります。党首を目指して政治家が闘う政党をイメージしてもらうと、わかりやすいでしょうか。うまくいくと、自由な活動が競争を生み発展します。しかし、競争が闘争になり、混乱が生じる場合もあります。
管理する側は、秩序を維持するために、統制をきつくしようとします。しかしそれは、自由・競争による発展を閉ざします。
組織論において、全体と部分は、管理と自由、統制と競争、規律と闘争、秩序と混乱、維持と発展、という対比につながります。