3月23日の日経新聞夕刊「読み解き現代消費」は、「キレる高齢者」でした。
年をとると涙もろくなる、と言いますよね。私は若いときから、涙が出る方です。悲しい場面だけでなく、普通に話しているときも涙が出るので、ハンカチを欠かせません。年をとると、なおさらです。なので、悲しいドラマは見ません。この記事を読むと、そんなロマンチックな話ではないようです。
・・・高齢者だけでなく、50代からも似た話が出るのは意外に思えるが、年を取ると涙もろくなるのは、感情移入しやすくなったのでも、感受性が豊かになったのでもない。大脳の中枢の機能低下が真の理由だ。
「背外側前頭前野」と呼ばれる部位が脳全体の司令塔となり、記憶や学習、行動や感情を制御している。涙もろくなったのは、この部位が担っている感情の抑制機能が低下したからだ。
最近は「キレる高齢者」も目立つ。携帯電話店で若い店員に突然怒鳴り始めたり、駅や病院で暴言を吐いて乱暴に振る舞ったりする高齢者を時々見かける。2016年版『犯罪白書』によれば、20年前と比べて高齢者の「暴行」は49倍に増加している。
こうした「暴走老人」の増加も、背外側前頭前野の機能低下により、感情を抑制できない高齢者が増えたためだ。この部位の中核機能の一つに「作動記憶」がある。これは短時間に情報を保持し、処理する能力で、その容量は加齢とともに減少する。これが感情の抑制機能を低下させるのだ・・・
涙もろくなるのなら良いですが、暴行など、感情を抑えられないのは困ります。本文をお読みください。