エリック・ラスムッセン著『シェイクスピアを追え!』(2014年、岩波書店)が、おもしろかったです。
シェイクスピアの戯曲の数々(台本)を本にした、ファースト・フォリオ(最初の本格的な本)は、彼の死後1624年にロンドンで出版されました。400年前の話です。現在、初版本が全世界で、232冊確認されています。
2002年には、1冊が700万ドル(1ドル100円で換算して、7億円)で売買されています。貴重なので、有名人から有名人に引き継がれ、そしてたびたび盗難に遭っています。それを追いかけたのが、本書です。小説よりも奇なりな本の生涯と、それを追いかけた執念をお読みください。
本と言っても、現在の本屋に並んでいるような単行本とは違います。高さ36センチ、幅23センチ、厚さ8センチの大きさで、908ページの大きなものです。それを盗むのです。まあ、有名な茶碗・大名物の持ち主の歴史、盗難の歴史といったら良いでしょうか。
日本では、明星大学図書館が、12冊も所蔵しています。そして、インターネットで画像を公開しています。検索ページで、title Hamlet Act1 Scne1 Line1を選ぶと、ハムレットの台本の1ページが出てきます。