カテゴリー別アーカイブ: 2018年春学期・地方自治論Ⅰ

慶應大学、地方自治論Ⅰ成績評価

地方自治論Ⅰの試験の答案を採点しました。348人分です。ほとんどの学生が、A4用紙両面を使って、びっしりと書いていました。

問1は、地方自治の意義を問うものです。授業でも、「ここは試験に出しますよ」と予告しました。授業で配ったレジュメと資料も、持ち込み可です。問の文章に、必須の語彙は指示してあります。大半の学生は、きちんと回答していました。
残念ながら、合格点を与えることができない回答もありました。指示した語彙を並べるだけ、それも十分な説明ができていません。問に対する答になっていないのです。
また、「模範解答」が出回ったのでしょうか。同じようにまちがった答案が、たくさんありました。「国から一生の自立」は「国から一定の自立」の間違いでしょう。日本語としてもおかしいですよね。
他にも、「(地域で負担と受益を考えるより)国に要求すると満足度が高い」とか「中央政府の各省庁が地方出先機関を設置し、各種のサービスを供給した方が効率的である」とか。まちがった「模範解答」を写すのは危険です。

問2は、多くの学生が、書けていませんでした。問いは、自治体に、議会と首長の二元代表制以外の仕組みを導入することについてです。
授業では、ドイツの地方自治を例に、さまざまな形があることを示しました。また、国政は議院内閣制であることも、問の文章に書いてあります。少々考えれば、何らかの答えは書けるでしょう。
これも、間違った「模範解答」が出回ったのでしょうか。「条例の横出し上乗せ」や「議会と首長との牽制(再議など)」を書いている答案がたくさんありました。
想定していない問がでた場合(今回は予告したのですが)、どのように対処するか。「何でも書けば良い」ではありません。問と全く違った答を書くと、何も書かないより減点になる場合もあります。

問3は、それぞれに考えてもらう問です。誰にでも、何かは書ける問です。
授業中の小レポートで、自治体の政策を勉強してもらいました。それに答えた学生にとっては、簡単だったでしょう。しかし、小レポートを出していない学生や、授業に出ていない学生は、内容ある回答は書けなかったようです。
特に、政策を提案する際に、財源を考えず「ばらまき政策」になっている答案が多かったです。これは、減点です。

全く改行なしの文章もたくさんありました。困ったものです。小レポートの書き方指導で、注意したことなのですが。3分の1の学生は、ほとんど授業に出席せず試験だけを受けているので、このような注意もわからないのでしょう。
授業に出席した学生と、出席していない学生とで、成績が大きく別れる結果になりました。当然といえば当然です。「ノートや配付資料持ち込み可」という試験は、授業に出席せず試験だけ受けて及第点をとることができるほど、簡単ではありません。

慶應大学、地方自治論Ⅰ期末試験

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅰの期末試験をしました。348人が受けました。1教室に入りきらず、2教室に別れてです。ふだんの授業の出席者は170~200人なのですが。明日から、採点をします。記述式なので、読むだけでも大変です。

もう一つの、公共政策論は、レポートです。78人が提出したので、いま読んで採点しているところです。これも力作揃いで、読むのに時間がかかっています。

慶應大学、地方自治論Ⅰ第14回目

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅰの第14回目の授業。
今日は、これまでの授業のおさらいをしました。 あわせて、来週の期末試験の「傾向と対策」についても。
何度も言ったように、指定した準教科書を読んで、私の授業に出ておれば、良い成績が取れるはずです。

214人の出席カード・感想を読みました。多くの学生が、私の授業の意図を理解してくれたようです。
私は、知識だけでなく、ものの見方を教えたかったのです。
知識だけなら、本を読めば良いことです。慶應大学法学部の学生なら、読むべき本を指定すれば読むでしょう。社会の変化が激しい時代に、大学で得た知識はすぐに古くなってしまいます。
では、どうすれば良いか。それは、どのようにして新しい知識を得るか、どのように問題を見るか、どのように解決するか。それを身につければ、どんなことにも応用できます。大学とは、そのような場所です。

これで講義は終了。来週は試験です。

慶應大学、地方自治論Ⅰ第13回目

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅰの第13回目の授業。地方公務員について説明しました。
人数、行革による一般行政部門の減・生徒数減少による教職員の減、どのような分野にたくさんの公務員がいるか、県と市町村役場との違いなど。
その上で、昇進、評価などの実態を話しました。これは、現場を知らないと話せない話だと思います。学生も、興味深そうに聞いてくれました。

次回で、春学期の授業は終わります。

慶應大学、地方自治論Ⅰ第12回目

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅰの第12回目の授業でした。
今回は、住民論です。住民自治の「主体」と、役所からサービスを受ける「客体」について説明しました。ここでも、自治体(役所)を統制する仕組みだけでなく、それを支える住民の意識がないと、制度は空振りになることを教えました。
住民投票などは、制度を教えるより、新聞記事で実態や結果、そしてその意義を読んでもらう方が、わかりやすいです。

毎回、学生に質問やら意見を書いてもらいます。そのうちいくつかを取り上げて、次回の授業で説明しています。私の話が理解されているか、いないかがよくわかります。
「よく考えているなあ」と思う質問が、いくつも出されます。それについて答えることで、学生の関心に答えることもできます。