カテゴリー別アーカイブ: 復興10年

津波被災地での農業復興実績

東北農政局が、「みやぎの地域農業復興事例20 ~ふるさとを次世代につなぐ。挑戦し続けた10年の軌跡~」を作ってくれました。
大津波で、たくさんの農地が被災しました。がれきに覆われ、海水(塩水)に浸かり、地盤が沈下し、用水路が壊れたりしました。そして、従事者も減りました。

資料を見ていただくとわかりますが、次のような事例が紹介されています。
・法人化を通じた大規模土地利用型農業の実現
・最先端技術を駆使した施設園芸の展開
・多様な主体の活躍による地域農業の再生
単に元に戻すのではなく、被災を機に、新しい農業に取り組みました。兼業の米農家では、未来はないのです。
私も、この事例のいくつかを見に行きました。感じたのは、国の助成金も必要ですが、それ以上に必要なものがあります。
やる気のある従事者がいるかどうか、家業でなく事業として成り立つか、最先端の技術で日本いえ世界と勝負できるか、です。

経済同友会、復興委員会報告書

経済同友会が、震災10年を期に、復興を検証し、今後の災害対応の課題を整理してくださいました。「防災・震災復興委員会報告書~東日本大震災の発災から10 年を迎えて~
このホームページでも紹介してきましたが、経済同友会は発災直後から、さまざまな支援をしてくださいました。また、毎年、現地視察やシンポジウムなどを開催し、経済界や社会に向けて、復興への関心を高めていただきました。社会の有識者や指導者に関心を持ってもらうことは、ありがたいことです。

経済界から見た復興、経済同友会の復興支援実績、これからの課題が簡潔に整理されています。ご覧ください。

「東日本大震災 復興の教訓・ノウハウ集」

復興庁が「東日本大震災 復興の教訓・ノウハウ集」を取りまとめ、発表しました。「教訓・ノウハウ編」(238ページ)と「事例集」(285ページ)の2冊です。いずれも大部です。
まず「教訓・ノウハウ編」冒頭のマトリックス(p4~p7、pdfでは9枚目から12枚目)をご覧ください。
・「被災者支援」「住まいとまちの復興」「産業・生業の再生」「協働と継承」の4つの分野で、
・時系列(応急期、復旧期、復興前期、復興後期)に分けて、
項目を整理してあります。これは見やすいです。
そして本文(各項目)では、
・課題を提示し、状況と取り組みを説明し、教訓・ノウハウを示してあります。

東日本大震災(津波被害)では、被災者支援から始まり、住まいとまちの復興、産業・生業の再生、コミュニティ再建にまで支援を広げました。施設の復旧だけでなく、町や暮らしの復興にまで及んだのです。そして、行政だけでなく、企業やNPO、住民などとも協働しました。冒頭のマトリックスを見ていただくと、それが一目瞭然になっています。
後輩たちが、良い資料をまとめてくれました。

各府省や各局も、1つの仕事を終えたら、このような成果物をまとめて欲しいですね。特に内閣官房に置かれる各種本部は、使命を終えると廃止されるので、記録を残す、それも次に役立つ資料をまとめることが重要です。今の時代は、それをインターネットで簡単に調べることができるのです。

報道にたくさん取り上げてもらいました。目次

3.11から10年の節目を迎えたこともあり、大震災の復興に関して、新聞やテレビにたくさん取り上げてもらいました。ありがたいことです。
私たちが何をしたか、何に気を配ったか、何ができたかを広く伝えるとともに、何ができなかったか、次回への教訓は何かを整理し伝える良い機会でした。役所も記録を残すのですが、広く国民や関係者に伝えるには、報道が一番です。

このホームページで、その都度報告しましたが、取り上げてもらった記事や報道を並べておきます。これで、ひとまず一段落です。「ホームページの分類、復興10年」につけておいたのを、再掲して更新しました。

朝日新聞「官邸の怪人、「民」と出会った衝撃 復興の現場で」(2020年10月11日)
朝日新聞インタビュー「ミスター復興が語った後悔と成果」」(12月10日)
打ち破った前例踏襲主義 霞が関のミスター復興に聞く」(2021年2月9日。12月10日と同じ)
福島民友インタビュー「政府の力が試された」」(2月18日)
NHKクローズアップ現代に出ました」(2月25日)
北日本新聞に載りました。「被災地支え続けた岡本全勝さん」」(3月5日。これは共同通信社の配信なので、いくつかの地方紙に載っています。3回連載です)
日経新聞1面「復興の哲学を変える必要があった」」(3月9日)
毎日新聞「人口減 議論足りず反省」」(3月10日)
公明新聞に出ました」(3月16日)
NHKウエッブサイトに載りました」(3月18日)
河北新報に出ました」(3月25日)
朝日新聞夕刊に出ました」(3月26日)
毎日新聞対談に出ました」(3月28日)

(講演など)
朝日新聞シンポジウム(1月21日)
世界銀行セミナー(3月18日)

大震災10年目に考えた成果と課題、目次

3.11から10年の節目を迎え、新聞などの取材をたくさん受けました。記者さんから鋭い質問をされると、私も頭の整理ができました。また、一般の方に理解してもらうために、なるべく簡単にお話しするようにすると、ますます考えが整理されました。
10年近く、責任ある立場で復興に携わりました。その経験から、成果と課題を伝えることは責務でもあります。

他方で、私以外にそのような職員がいないことも、気になります。公務員は数年で異動をすることが慣習になっていますが、何か工夫はできないのでしょうか。特に、原発事故側に全体を話す人がいないことは、大きな問題です。
一人で話す人がいない(通常はそうです)場合は、組織として成果と課題を取りまとめるのでしょう。関係者がどんどんいなくなり、記憶も薄れます。10年はその限界だと思います。

10年の評価や教訓について書いた記事を、並べておきます。「ホームページの分類、復興10年」につけておいたのを、再掲して更新しました。

復興事業の教訓」(2021年1月26日から4回)。人口の減少、過大な事業批判
日経新聞、大震災復興事業の検証」(2月9日から3回)。予算、産業再建など
復興事業の教訓、集落の集約」(2月12日)。漁港など分散した集落の集約案
復興政策、終わってからの教訓」(2月14日)。今後の人口減少下での復興
提言、原発事故復興基本法案」(3月3日から2回)。残っている原発事故からの復興について
町の復興、高台移転とかさ上げの違い」(3月24日)。住宅団地の建設と中心街の復興との違い