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慶應大学、公共政策論第2回目

今日は、慶応大学で公共政策論の第2回目の授業でした。
まず、新聞を読むことと読み方のコツについて、続いて本を読むことについて助言しました。
また、本や授業では過去の歴史を学ぶことはできても、近過去、例えばこの20年間の政治や経済の出来事や変化は学ぶことができないことを話しました。先日このページで紹介した、「日米経済摩擦の歴史」も、今日書いた「日本の社会システムの改革」もそうです。私の授業で、そしてこのホームページでは、近年の日本社会の変化をお教えしたいと思っています。
授業で紹介した、アメリカ白人(下層)の実態を書いた本は、J.D.ヴァンス著『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』(2017年、光文社)です。滝田洋一・日経新聞編集委員の本は、『世界経済大乱 』(2016年、日経新書プレミアシリーズ) 、『世界経済 まさかの時代』(2016年、日経新書プレミアシリーズ)です。

次に「公共政策論とは何か」を話したあと、東日本大震災での政府の対応に入りました。まずは、パワーポイントで当時の写真を見てもらいながら、政府はそして私は何をしたかを話しました。といっても、まだほんの最初だけです。次回以降、より詳しくお話しします。

出席カードは63枚提出されました。感想や質問を書いてもらうのですが、それぞれに的を射たことが書かれていて、読んでいてうれしいです。私が関心を持って欲しいことに反応してくれる学生とともに、「こんなことにも興味を持っているんだ」と気づかされることもあります。次回以降の授業で、それらについて触れましょう。

慶應大学での講義開始2

今日は、公共政策論の授業第1回でした。
80人収容の教室が、授業中にどんどん埋まって(遅れてくる学生もいて)、ほぼ満員でした。資料は80部印刷して持ち込んだのですが、25部余りました???。学内ネットに資料を掲載してあるので、それを印刷した学生がいるのでしょうか。
先日の地方自治論の授業では「学内ネットで、資料を見ることができません」と言われたので、教えてもらったように「履修者のみ」という制限を外しました。今日、学生に聞くと、見ることができるそうです。まずは、一安心。
皆さん、熱心に聞いてくれました。朝9時からの授業に出席するのですから、それをもってしてもまじめです。私の話も、調子よく進みました。

第1回目なので、授業の進め方、私が伝えたいこと、公共政策のうち何を中心に話すかを、お話ししました。また、新聞を読むことと、読み方を教えました。これから社会人それもリーダーになる人たちですから、早く毎朝新聞を読む癖をつけて欲しいです。授業終了後に、さらに突っ込んで読み方を聞いてきた学生がいました。「毎朝2紙を読んでいるのですが、時間がかかって大変です」と。来週、そのコツをお教えしましょう。来週の準備を手伝ってくれたI君、ありがとう。
授業中に紹介した本は、阿川尚之著『アメリカン・ロイヤーの誕生』(1986年、中公新書)です。君たちの先輩で、慶応大学の教授も務められました。少し古くなりましたが、勉強になります。また、欧米の大手メディアの日本語版ニュースサイトについては、こちらを見てください。

2017年春学期・公共政策論

2017年春学期・公共政策論―官邸、霞が関、被災地から見た政治と行政
(水曜日1限)

現在日本の公共政策を、現場の実態から分析します。特に、政治と行政の役割の変化と、官・共・私による新しい公共を解説します。講義は、大きく分けて、3つの部分から構成します。
1は、東日本大震災の対応で考えた、政府の役割と地域の公共です。
2は、総理秘書官として官邸から見た、政治と行政です。
3は、国と地方の公務員を経験して考えた、行政です。
(参考、私の略歴

授業計画
1 授業計画の説明。政治と行政の課題と見方
2 大震災から見た行政と社会1―未曾有の災害に対応する
3 大震災から見た行政と社会2―町のにぎわいを取り戻す
4 大震災から見た行政と社会3―公共を作る官・共・私
5 官邸から見た政治と行政1―麻生政権と政権交代の経験
6 官邸から見た政治と行政2―中央政治の参加者と関係
7 官邸から見た政治と行政3―政策と権力
8 霞が関から見た政治と行政1―行政の成果と課題
9 霞が関から見た政治と行政2―省庁改革と政治指導
10 霞が関から見た政治と行政3―30年間の変化
11 霞が関から見た政治と行政4―福祉国家から安心国家へ
12 政治と行政の課題1―中央政治、地方政治、公共空間
13 政治と行政の課題2―国民の期待と不満
14 政治と行政の課題3―これからの政治と行政
15 まとめ

講義の記録