カテゴリー別アーカイブ: ワシントン特派員

ワシントン特派員「稲熊君」です。稲熊君は、私の元部下です。今、ワシントン大使館に勤めています。随時載せますので、乞うご期待。
ワシントン特派員報告終了
このHPを豊かにしてくれていた、ワシントン特派員が3年間の勤めを終えて、帰国しました。よって、特派員便りも終了します。ありがとうございました、稲熊君。(2005年4月17日)

米国まめ日記9

ブラックアウト
 8月14日の午後4時過ぎ、アメリカ北東部とカナダ東部が大停電襲われました。影響を受けたのは、米国の8つの州(ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア、コネチカット、マサチューセッツ、バーモント、オハイオ及びミシガン)とカナダのトロントなどで、両国合わせて5000万人に影響をもたらしたと言われています。
 CNNでこの大停電の第一報を見た時には、「新手のテロか?」と少し心配になりましたが、その後すぐにブッシュ大統領、ブルームバーグNY市長が、記者会見において、今回の大停電とテロとの関係を否定しました。ただし、現時点(8月末時点)でその大停電の詳しい原因は不明です。
 幸いにもワシントンは今回発生した大停電に巻き込まれることはなかったのですが、今年の夏、ワシントン周辺地区においても停電が頻発しています。その原因は、サンダー・ストームです。
 アメリカのサンダー・ストームは、非常に強力であるとともに、1週間に2回、3回と頻繁にやって来ます。近くで大きな雷が鳴ったなあと思ったら停電といったことが、この8月だけで3回も発生しています。そしてその停電が4時間、5時間と続くのです。
私の自宅は、決してアイダホ州(アイダホ州のみなさんごめんさない)とかにあるのではなく、アメリカの首都ワシントンDC中心街から車で30分以内のところにあります。現在、ロウソクは必需品です。
 もちろん信号機なども停電の影響を受けるため、渋滞が起こったりするのですが、いつもは運転マナーの悪いアメリカ人も、このときばかりはさすがに譲り合いの心を見せており、少し微笑ましく感じたりしています。
 考えてみると、東京に住んでいたころに停電というものを経験したことはほとんどなかったように記憶しています(今年の夏は皆さん心配していたそうですが。東京電力さん、どうもありがとうございます。)。また、仮に停電が発生したとしてもすぐに復旧という場合がほとんどだったと記憶しています。
 しかしながら、もう少し記憶を遡ってみると、愛知県の山間地域に住んでいたころ(15年以上前)には、夏になると雷の影響で停電するといったことはそれほどめずらしいことではありませんでしたし、復旧に3,4時間を要すといったこともよくありました。そんなときには、決まってロウソクが登場していたものです。
 ワシントンDCという愛知県の山間地域とは全く違う土地に暮らすにも関わらず、少し長い停電を経験し、なぜか田舎暮らしをしていた昔を思い出しました。

米国まめ日記8

メディア・オーナーシップ・ルール
 KDD、日本テレコムほか5社が、総務大臣に対して「NTT東西の第一種指定電気設備に関する接続約款の変更」認可の取消を求める行政訴訟を提起したニュースが米国にも伝わってきましたが、こちらでも今、規制当局が行った決定に対する”反発”が起きています。
 去る6月2日、米連邦通信委員会(FCC)は、テレビ、ラジオ、新聞などのメディア企業が所有できる放送局の数や、同一市場でテレビ局と新聞社の両方を所有することを制限している1996年連邦通信法に関する規制緩和を決定しました。
規制緩和の具体的な内容としては、
・ テレビのネットワークは、視聴者の45%をカバーするテレビ局を所有することができる(現行は35%)
・ ほとんどの場合、メディア企業は、上記と同じ地域で新聞社とラジオ局の両方を保有することができる
といったものです。
 この規制緩和に関する米連邦通信委員会の投票は、共和党委員3名が(委員長を含む)が賛成、民主党委員2名が反対という、俗にいう”パーティ・ライン”に沿ったものとなりました。反対票を投じた委員は、「今回の規制緩和が放送内容の多様化を阻害し、ひいては民主主義の終わりにつながる。」と述べていますが、反対者の多くも、これと同じような考えに基づいているようです。
 上記の規制緩和に対する反対の形として、今までのところ以下のようなものが見られます。
 まずは、米連邦通信委員会に対する直接的な陳情といったものです。ただ、通常このような試みは、ほとんど成功することはないようです。
 他の動きとして、「訴訟」が挙げられます。規制緩和への反対者は、米連邦通信委員会の決定をひっくり返すべく、連邦高裁(the Court of Appeals)に訴訟を提起することができます。
 おもしろいのは、立法府の動きです。上院では、現行の「35%キャップ」を維持する法案が、共和党及び民主党の有力議員により提出され、今後審議される予定です。
 また、現在審議されている歳出法案(Appropriations Bill。米国の予算は「法」によって決定されているのです。ちなみに、米連邦通信委員会の予算を決定する法律案は、the Commerce-Justice-State Appropriations Bill)に、民主党の有力議員により提案された「米連邦通信委員会が35%の旧キャップを超えるメディア企業にライセンスを認めることには予算を認めない」といったような規定が入っているようなのですが、この法案が7月16日、下院の歳出委員会において、40対25で採択されたようです。
 現時点で、今回の規制緩和の運命がどのようになるか予測は困難ですが、もうしばらく、動きを追っていきたいと思っています。

米国まめ日記7

ゴルフその2:PGAツアー観戦
 先月に続いてゴルフの話で恐縮ですが、6月5日から8日にかけて、ワシントンで、PGA(Professional Golfers’Association)のFBRキャピタル・オープンが開催されました(ただ、正確には、開催されたのはメリーランド州ですが)。このツアー、昨年まではケンパー・オープンという名前だったのですが、今年からスポンサーを変え、再登場いたしました。ちなみに、ケンパー(Kemper)というのは保険会社、FBR(Friedman, Billings, Ramsey Group, Inc.)というのは投資銀行です)。どちらも儲かっていそうですね。
 今までゴルフというものは「自分でやるもの」という意識が強く、「見て楽しむもの」という意識はなかったのですが、①キャピタル・オープンが開催されるゴルフ場が”Avenel TPC”という私の家から車で5分くらいのところにあるゴルフ場であるということ(でも実際には、シャトルバスでアクセスしたため、到着するまで1時間ほどかかりましたが・・・。)、②タイガー・ウッズは出場しないものの、フィル・ミケルソン、デービス・ラブなどのビッグ・ネームが出場するということもあり、「はじめてのプロゴルフ観戦」に出かけてみました。
 当日は、日本からも田中秀道、横尾要等が出場しており、はじめは、早い時間スタートの彼らについて見ていました(ビッグ・ネームは遅い時間から登場するものなのです。)。日本人プロについている観衆はとても少なく(ということで我々もかなりの「通」に見られたに違いありません。)、「これではあまりその辺のゴルフコンペと変わらないのでは・・・」と思うほどでした。
 一方、午後スタート組には、多くの観衆が集まっていました。まず、お目当てのフィル・ミケルソン、デービス・ラブ等の組についたのですが、観衆の数、質(掛け声等)とも、さすがアメリカと思わせるものでした。そして、そのプレーにも感動しました。まずドライバーの飛距離からして違います。先に見た日本人とドライバーの飛距離で30ヤードほどの差があるという感じでしょうか。この人たちと戦わなければならない日本人選手は大変でしょう、きっと。
 上記の組を6ホールほど追いかけた後、チャールズ・ハウエル(キャロウェイと契約している若手ゴルファー。かっこいい)、リッチ・ビーム(昨年の全米プロ優勝者)&イエスパー・パーネビック(ゴルフ界のファッションリーダー。超かっこいい)組について回りました。この組み合わせを確認したときから、”この組はいいっ”と思っていたのですが、やはりついていた観衆の数もこの組が一番多かったようです。みなさん見た目もかっこいいのですが、プレーもそれはそれは”男前っ”でした。
 最後に、当日、最小スコア(62)を出したデビット・デュバルを見て、初めてのゴルフ観戦を終えましたが、ゴルフ、見るものなかなかいいものだと思わせるものでした。

米国まめ日記6

ゴルフ
 米国に来て約1年が経ちましたが、車社会の米国に来て以来、歩くことがめっきり少なくなるなど、慢性的な運動不足に悩まされております。体力の低下は否めず、最近では腰痛もちの仲間入りも果たすことができました。東京にいたころは、毎日の満員電車での通勤や帰り道のコンビニでの立ち読みなどで足腰が鍛えられていたんだなあと感慨深い今日この頃です。
 運動不足を自認している米国人たちは、よくジョギングしたりジムに通ったりしているようなのですが、私は、少しでも体力の低下を食い止めるべく、ゴルフをすることにしました(といっても元々していたのですが)。
 日本ですと「高い」とか「遠い」とか「ジジくさい」とか何かとネガティブなイメージのゴルフですが、こちらでは、そのようなイメージは薄いように感じます。まず、値段ですが、私が好んで使用するパブリックコースでは、休日でも30ドル~40ドルでプレー可能です。高級といわれているようなところでも100ドルはしないという印象です。安い!(※)
 また、自宅から車で10分くらいのところもゴルフコースがありますし、仮にゴルフコースが20マイル(1マイル=約1.6キロ)くらい離れていたとしても、車で30分くらいで到着します(自宅から20マイル圏内には多くのゴルフ場があります)。もちろん高速道路を使ってもお金はかかりません。近い&安い!
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 さらに、日本でゴルフをするとなると、相当前から予約が必要であったり、キャディさんがついたりと何かとめんどくさいことが多いのですが、こちらでは、3,4日前に予約を取れば十分ですし(場所によっては、休日でもその日に行ってプレーできます)、キャディなしプレーが基本です。お気楽!
 もちろん、私は、運動不足解消のためにゴルフをしているので、18H歩いてプレーすることを基本にしています。トータルで10キロくらい歩くことになるため、かなりいい運動になり、これ以上の体力低下はなんとか食い止められそうです。
 ゴルフは4人1組が基本であるため、2人や3人で予約すると、米国人といっしょにプレーすることになります。ジョインするのは学生のこともあれば、すでにリタイアした老人も場合もあり、ゴルフは生涯スポーツなんだなあという思いを強くします(女性が多いのも米国の特徴でしょうか)。一緒になった人達と話をしたりするのも楽しいものです。私の日ごろの仕事相手の官庁のOBの方とたまたま一緒の組になり、昔話を色々と聞かせてもらったこともありました。
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 ハーフでのビールやお風呂といった楽しみはないものの、米国でのゴルフは、体力の低下を食い止めるだけでなく「英語力の向上」をも果たすことができる、それはそれはすばらしいスポーツなのです。決して遊んでいるわけではありません。
 料金体系の多様さも米国の特徴です。これはゴルフに限りませんが。例えば、http://www.bullruncc.com/page/90-2364.htm参照。

米国まめ日記5

サクラ
 3月19日に始まった米英軍によるイラク攻撃(その作戦名「イラクの自由作戦」(Operation Iraqi Freedom))も、4月9日時点ではイラクの首都バグダッドが米英軍に制圧され、フセイン体制も事実上崩壊したとのことであり、終結に近づいているようです。
 この「戦争」の一当事者の首都ワシントンに暮らしていても、戦争を感じさせるものは、反戦デモ、戦争関連ニュースがほとんどを占めるニュース報道(ちなみにこちらのニュースでは天気予報の際、イラクの天気予報も流しております。)、タクシーの運ちゃんの世間話といったものであり、それらはきっと日本にいたとしても感じられるようなものではないかと思います。緊張感が非常に高まっているというような状況ではありませんが、そいうはいっても今は戦時下。そのような中、ワシントンでは、今年も「桜祭り」(National Cherry Blossom Festival)が予定通り開催され、多くの観光客等で賑わいました。
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 DCの中心にあるモールと呼ばれる公園地帯(モールの東端にある国会議事堂から西の端にあるリンカーン記念館までの距離は3.5Kmほど)にあるタイダル・ベイスンと呼ばれる池(ホワイトハウスの南側に位置する)の周りには、日米友好の証として1912年、当時の東京市長尾崎行雄から送られた桜の一部が植樹され、毎年春になると見事な花を咲かせています。
 そして、毎年その桜の開花時期にあわせ桜祭りが開催されています。桜は、タイダル・ベイスンの周りだけでなく、メリーランド州の高級住宅街(Kenwood地区)などでも楽しむことができます。外国、それも米国で日本と比べても遜色のない桜を楽しめるとは思っていませんでした。
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 日本と同じくワシントンでも桜は人気者で、米国では公共の場での飲酒が原則として禁止されているため日本の花見とは趣を異にするものの、米国人も桜の下を散歩したり、桜の木の近くでピクニックをしたりして桜を楽しんでいるようです。また、3月に入ったころから、米国政府の役人との会話の中にも桜がたびたび登場するようになります。「今年の桜はいつごろ咲くのだろうか」「タイダル・ベイスンの桜は元々日本が贈ってくれたものらしいんだけど、本当にいいものを贈ってもらったよ」などといったものなのですが、いつも仕事以外の会話のネタ探しに苦労している私にとって桜は正に救世主です。
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最近異動された方の挨拶の中に、「戦争、身内の不幸などなど、人の世の営みとは関わりなく、春は巡り、春が来れば桜は咲くのだ、と改めて自然の力に感服しております」という一文がありましたが、本当に自然の力は偉大であり、特に桜の花は、人々を引き付ける大きな魅力を持っているなあと強く感じました。
 しかし、桜の花の命は短く、タイダル・ベイスンの桜も、昨日降った雨のためだいぶ散ってしまったようです。私の米国役人との会話のネタ探しの旅はこれからも続くのでした・・・。
P.S.地球の歩き方の一コラムによれば、1943年の太平洋戦争の真っ只中、ジェファーソン記念館を作るためにタイダル・ベイスンの桜を何本か移動させた際には、桜愛好家が自分の体を桜の幹に縛り付けて抵抗したとのことです。米国での「戦時下」というのは、いつの時代も変わらないのでしょうか。