日経新聞私の履歴書、4月は平井一夫・ソニー元社長です。
第6回(4月6日)では、CBS・ソニーに入社して1年半、自らの仕事を振り返り、このままで良いのかと考えます。そして選んだのが、海外法務です。会社には、専門家がおらず、この「ガラ空き」の分野で誰にも負けないエキスパートになってやろうと考えます。
第7回(4月7日)では、次のようなことが書かれています。
欧米の音楽業界は日本としきたりが異なり、もめないように契約書を作ります。契約書の文面は無味乾燥ですが、読み込むうちに「ここには先輩たちが苦労して交渉してきた結果がすべて記録されている」と考えるようになりました。そんな目で書類を読むと、価値が変わってきます。海外法務の勉強に没頭するようになりました。
そこで気づいたことは、「専門性を磨くことはその分野に仕事を閉ざすように見えて、むしろ逆なのだと。私の場合は音楽から出版、さらにゲームへと仕事の幅が広がっていった」。