勝敗は時のウンにもよる

江南食堂協会総協会長が、「えー、優勝、住所不定・地仙どの。右のモノ、江南大食い大会において表記の成績を・・・」と表彰状を読み上げはじめたときです。大会役員席から、敗れた金陵食堂協会会長が突然立ち上がりました。
「異議あり! こんなコドモがあんなに食べるなんてオカシい、イカサマじゃっ」と怒ったのです。怒っただけだったらどうでもよいのですが、「保護者はどこにいる? まさかコドモひとりで出場しているわけではないじゃろうな」と保護者にまで攻撃の矢が飛んできまして、みんな先生の方をじろじろ見ます。
「あ、あの・・・地仙ちゃんはウチのコではなくてフクザツな関係なのですが・・・」と先生がどぎまぎしていますと、「会長、往生際がワルいでありますわいな」
「そうでっさあ、オレたちの負けは負け。イサギよく認めなければなりませんぜ」と二位の元青霞、三位の能大黒の二人の金陵代表が食堂協会会長を叱りつけました。
「な、なんじゃと、キサマらマケグミのタダメシ喰らいのくせに・・・」というコトバを先生は聞きとがめます。
「えー、「勝敗は兵家の常」と申しましてな。勝負ゴトは時の運や人の和などいろんな要素によって決まります。ニンゲンの知性の及びもつかない偶然で勝敗が決まることも多いので、一概に敗者をタダメシ喰らいなどと責めるわけにはいかないのです。
文字から見ても、「勝敗」の「勝」の字は①ですが・・・点線の中はチュウゴク史上最初の皇帝である秦の始皇帝が「皇帝の一人称」と決めたアの「朕」という字(チン。元は「捧げる」「兆候、船板の合せ目」という意味)。「朕」の左側は、天体の月でも肉ヅキでもなくて、舟とか盤を意味する形象で「皿」をタテにしたものと考えてもらえばいいですかな。ということで、「朕」はお盆を両手で捧げているスガタとされております。