カテゴリー別アーカイブ: 2018年春学期・公共政策論

慶應大学、公共政策論第5回目

公共政策論も、第5回目の授業です。東日本大震災での、政府と自治体がしたこと、企業やNPOが貢献したこと。逆に、政府・自治体ではできないことを、見てもらいました。
人々の暮らし・公共空間は、何によって成り立っているか。どのような問題が、社会の課題と認識されるか。それに対して、どのような対策を打つことができるか。といった議論の具体例を見てもらったのです。
抽象論より、具体事例を写真などで見てもらう方が、関心がわきますよね。
USBメモリを持ち込み、大学が提供してくれるパソコンにつないで、投影します。便利になったものです。

こちらは、出席者は安定して50人前後です。小レポート提出は、52人。これはさっさと読めそうです。

慶應大学、公共政策論第4回目

公共政策論も、第4回目の授業です。46人の学生が出席しました。皆さん熱心です。
東日本大震災のスライドは、発災直後から復旧までを見てもらったので、レジュメに沿って、何が課題だったか、政府はそして私は何をしたかを説明しました。
すべてを流された町で、町を復興するためには、何が必要が。それを考えることで、町とそこでの暮らしが、どのような要素でできているかが、わかります。
インフラだけでは町は復旧せず、サービス提供とともに働く場がないと暮らしていけません。さらには、つながりがないと、人は孤立します。
その3つを、どのようにして再建するか。行政がお金でできることと、できないことがあります。それを考えてもらいました。

こちらの方も、早々とレポートを提出した学生が数人いました。
レポートの内容についても、助言しました。
授業を受けた後、記述式の答案を書く際やレポートを提出する際に、2つの水準があります。一つは、教授に教わった内容を書きます。もう一つは、教授の授業を理解した上で、独自に考えたことを付け加えます。
私が学生の時、これで満点だと思う回答を書いたのに、良い点をもらえなかったことがあります。その際に先生がおっしゃったのが、このことでした。
「私の授業を受けて、「右受け取り候」といった受領証のような答案では、及第点しかあげられない。授業を踏まえて、自ら考えたことを書け」とです。
大学入試までは、教えられたことを正しく書けば満点です。しかし、大学になれば、教えてもらったことの上に、自分で考えたことを加えなければなりません。

授業で紹介した、日本が「一億総中流」ではなくなっていることを明らかにしたのは、佐藤俊樹著『不平等社会日本―さよなら総中流』(2000年、中公新書)です。

慶應大学、公共政策論第3回目

公共政策論も、第3回目の授業です。
社会の課題を考えてもらうために、私が分類している社会のリスクを説明しました。この分類は、かなりの力作です。「こんなリスクもあるなあ」「こんな分類もあるんだ」と思ってもらえたと思います。
学問(特に社会科学)は、社会の事象をどのように捉えるか、その基礎として様々な事象をどのように分類するかが、基本です。それによって、社会の見え方が変わり、対策が変わります。同じ事象を、どのような切り口で分類するか、そこに研究者の力量が問われます。

そのあと、大震災対応について前回の続きを、スライドで説明しました。
授業は順調ですが、200人を相手に講義した後、引き続き50人を相手に話すのは、さすがに疲れますね。
夜、異業種交流会を終えて、自宅でこのホームページの加筆をしています。1週間が終わり、「心地よい疲れ」と言いたいところですが、それを通り越しています。サッサとお風呂に入って、寝ますわ。
次回授業は、連休の谷間の5月2日です。しかも、6月1日はお休みなのです。大学からの指示ですが、不思議な日程です。

学生諸君へ
授業中に紹介した、川喜田二郎さんのKJ法を書いてある本は、『発想法』(中公新書、1967年、改版2017年)です。
予防接種のジレンマは、手塚洋輔著『戦後行政の構造とディレンマ―予防接種行政の変遷』(2010年、藤原書店)です。

慶應大学、公共政策論第2回目

公共政策論も、第2回目の授業です。 こちらは約50人です。
この授業でも、新聞の読み方を簡単に教えました。そして、本論に入りました。東日本大震災の発災から復興を、スライドで見てもらいます。
町が流されたところで、まちをつくる、にぎわいを取り戻す、住民の暮らしを取り戻すには何が必要かを、解説し考えてもらうのです。公共とは何か、公共をつくるものは誰か、どのようにして作るのかを考えます。
スライドは、3回に分けて解説する予定です。
この授業でも、小レポートを課しました。こちらは、地方自治論Ⅰより、少々重たい内容です。

慶應大学、公共政策論授業開始

第1限の地方自治論Ⅰに続き、第2限は公共政策論を講義してきました。こちらの方は、約50人の学生です。
地方自治論Ⅰと重複して取っている学生が、数人います。今日は、授業計画のほか、本の読み方など勉強の方法もお話ししました。話が重複するところもありますが、そこはご容赦ください。
公共政策論のポイントを、お話ししました。抽象論ではわかりにくいので、新聞記事を配り、新しい社会の問題が生じていること、誰がそれをどのように解決するか。そのようなことを話しました。

1日に2駒、それも引き続いての講義はきついのですが。本業などの都合で、今年の春学期はこのような時間割にしました。