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社会

経済発展の基礎は教育から

1月4日の朝日新聞経済面、ゾマホン・ルフィン、元駐日ベナン大使のインタビュー「貧しいベナン、アフリカで1番に」から。テレビの出演料などで、母国ベナンに小学校をつくってきました。

・・・日本に来て分かってきたのは、経済発展は初等教育の充実から始めないといけない、ということ。日本に地下資源、ない。石油、ダイヤモンド、ない。でも、先進国になっている。なぜなの? 私の考えでは、初等教育が整っているから・・・

・・・「あいうえお」を学ぶだけの場所ではなく、日本文化を学びます。日本人の考え方、行動様式、宗教、食べ物、着物、それらを学ぶ場所にしています。
日本人の考え方、行動様式は、ほかの国の人とは違います。日本人は、自分のことを先に考えない。まず、相手に迷惑をかけないように動く人間です。自分さえ良ければいいとは考えない・・・

GAFA、プラットフォーマー

GAFA、ガーファって、聞かれたことがあるでしょう。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4大巨大IT企業です。
12月12日の読売新聞が「プラットフォーマーとは」で、詳しく解説していました。
・・・米グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムなどの巨大IT企業は、デジタル経済の舞台を提供する「プラットフォーマー」として、人々の生活に便利なサービスを提供し、社会に大きな影響力を持つ。4社は頭文字から「GAFA」とも呼ばれる。だが、あまりに大きくなりすぎ、その全貌をつかむのは難しい。利便性の反面、影の部分も大きくなり、国家による監視の目も厳しくなりつつある。
巨大IT企業はインターネット上で便利なサービスを無料で提供し、世界中から膨大な個人データを集めている。個人データが自由に使われれば、利用者にとっては望まないサービスを繰り返し勧められるなど不利益を被る恐れがある。複数の個人情報を組み合わせて分析し、勝手に人物像が形成される可能性もあり、歯止めが必要となる・・・

皆さん、聞いたことはあるけど、詳しくは知らないのではないでしょうか。
これらが抱える問題点は、記事を読んでいただくとして、4社を並べて比較しています。これは分かりやすいです。
例えば「グーグル 検索 世界シェア9割」とか。それぞれの巨大さ、独占状態が、よくわかります。

来ました、不審メール

先日、携帯電話が鳴りました。ショートメールが入っています。
開けて読もうとすると、警告文が出てきました。「このメールには、電話番号が入っていて、怪しいです」といった趣旨の文章です。私の携帯電話はドコモなので、ドコモがそのような設定にしてくれているようです。

注意しながらメールを開くと、発信者は英語で「manager」とかなんとか書かれています。文面は、「あなたは未払いがあるから、次の電話番号に電話しなさい」です。そして、050で始まる電話番号が書かれています。
直ちに、削除しました。
キョーコさんのスマホには、もっとたくさん怪しいメールが届いているそうです。

「タテ社会と現代日本」その2

中根千枝先生の新著『タテ社会と現代日本』の続きです。
いくつも「なるほど」と思う指摘がありますが、その一つに「社交の場がないこと」(P106)があります。
日本では、場を重視し、集団への帰属と集団内での扶助が優先されます。小集団を超えた関心は少ないのです(P102)。それは、社交の場がないことにつながります。ラテン系の国では、村に広場があって、夕方には村人が出てきて会話を楽しみます。中近東ではコーヒーハウスがあって、イギリスではパブがあります。そこに集まるのは、同じ階層の人です。これらの国では、集団への帰属より、資格・階層が重視されるからです。

地域でのつながりが薄くなると、困ったことになります。これまで多くの男性は、会社という場に入り、それを唯一の帰属先としていました。定年で退職すると、一部の人を除いて、つながりを失います。また、新しいつながりの作り方を知りません。女性は、ママ友など、横のつながりを作っているのですよね。

社交の場がないことは、私も痛感しています。
一つは、職場以外での付き合いが少ないことです。近所の人とは挨拶をし、植木の手入れの教えは請います。しかし、私の職歴や関心で、話が合う人は少ないです。簡単に言うと、一緒に飲みに行く人がいないのです。

二つ目は、オシャレをしてキョーコさんと出かける場がないのです。
宮中に呼ばれたり、桜を見る会に呼ばれたときに、キョーコさんは和服を着て、おめかしをして出かけます。私は、モーニングコートかダークスーツです。しかし、モーニングを着る機会は、ほかにありません。結婚式と成人式だけでしょうか。タキシードでも羽織袴でもよいですが、私は着ることがないので。
中根先生がおっしゃる「資格が共通するつながり」が、もっとあればよいのですが。

落としたスマホが戻る日本

12月6日の朝日新聞夕刊スポーツ欄に、「スマホ戻り、作戦通りスパート 福岡国際マラソン優勝、エルマハジューブ・ダザ」が載っていました。

・・・1日にあった第73回福岡国際マラソンは、初出場のエルマハジューブ・ダザ(モロッコ)が2時間7分10秒の好タイムで初優勝を果たした。来年の東京五輪のメダル候補に躍り出た28歳は「日本のことがすごく好きになったよ。また僕の走りを見てほしい」。快走の背景には、日本人の親切さがあったという・・・

・・・大会2日前の夜。コーチのエルムサウイ・ムスタファさん(49)は、1人で福岡市内のスポーツバーで酒を飲んでいたが、スマートフォンを店に忘れたままホテルへ帰ってしまった。翌朝起きると、手元にないことに気づき、「絶望的な気持ちになったんだ」と頭を抱えた。

連絡先だけではない。そのスマホには、ダザの練習メニューや食事メニュー、福岡のコースの特徴やレース中の注意点など詳細なデータが入っていたのだ。
あきらめかけていたが、交番へ向かう前にホテルのフロントに確認すると、「こちらですか?」。スマホが届いていた。バーのテーブルに置いていたホテルのルームキーを覚えていた店員が届けてくれたようで、「信じられなかった。日本人はなんて親切なんだと、感激したよ」。

ダザも一安心できたのは言うまでもない。大会では、作戦通りに30キロ過ぎにスパートをかけて飛び出し、ぶっちぎりの優勝を果たした。「スマホがなかったら違う作戦を立てていたかもしれない。もっとハードな展開になっていた」とムスタファコーチ。優勝を決めた後、2人はぎゅっと抱き合った・・・

落としたスマホが、戻ってくる。世界200カ国の中で、そのような国はいくつあるでしょうか。この治安の良さ、親切心は、大事にしたいです。
もっとも、海外に行くと、落としたら戻ってこないことを、忘れないでください。プロにかかると、ロックはすぐに解除されるので、落としたスマホは直ちに転売されるそうです。