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行政-災害復興

縦割りは悪くない

よく、「役所の縦割りはダメだ」と、批判されます。復興に際しても、「一か所ですべてが片付くように、縦割りを無くして欲しい」という意見を頂きます。
しかし、ちょっと、待ってください。組織の縦割りは、悪いことではありません。少し大きな組織になると、必ずその中が、専門分化します。「官僚制(機構)の縦割り」です。経営学の教科書にも、必ず載っています。それは、役所だけでなく、民間企業も、NPOもです。
市町村役場も、県庁も、みんなその中は、縦割りです。医療担当と道路担当は、間違いなく別組織になっています。それを縦割りでなく、一つの組織や一人の職員が担当している例があれば、教えてください。一人の人がすべてに通暁できれば、それは素晴らしいことでしょう。しかし、道路建設も医療保険もすべて分かる人は、そうざらにいません。あらゆる市民のすべての悩みを、それぞれの職員が誰でもお答えする。そんなことをしたら、大混乱になるでしょう。道路には道路の専門家がいて、医療には医療の専門家がいるのです。
新聞社でも、スポーツ担当と政治担当が同じ部門で、一人の記者が担当しているような例があれば、教えてください。

官僚機構の縦割り自体は、悪いことではありません。では、なぜ批判されるのか。批判を受けるのは、相談に行った場合にたらい回しにされることと、担当者がいなくて縦割りの間に落ちてしまうことです。それを防ぐには、すべての課題を受け付ける「窓口」を作ること。そして、そこが責任を持って、担当部局につなぎ、きちんと返事を出すことです。担当部局がないなら、作るか自ら回答することです。
復興本部も、復興に関する相談は、すべて受け付けています。ただし、道路に関することは国土交通省に、医療に関することは厚生労働省に、それぞれ連絡して、そこで解決してもらいます。もし復興本部ですべてを解決しようとしたら、それらの部局と専門家をそろえなければなりません。霞ヶ関が、もう一つ必要になります。もちろん、各府省にお願いするだけでなく、復興本部自体が行わなければならない仕事も、たくさんあります。

5か月時点での主な課題

12日は、宮城県に、 「復興の基本方針」などの説明会に、行ってきました。県内の市町村が対象で、お盆前の金曜日にもかかわらず、市長さんや職員がたくさん集まってくださいました。
発災以来、5か月が経ちました。現時点での課題などを、合わせてお話ししました。
1 避難所におられる人数は、着実に減っていること。ただしなお、1万3千人の方がおられます。早く住宅に移っていただくこと、それまでは避難所の環境改善を行う必要があること。
仮設住宅は、立て付けの不具合のほか、不便だとか孤立するなどの課題があること。これらに、政府はチームをつくって、取り組んでいること。
2 がれきの片付けは、これから取り壊さなければならない建物を除き、散乱しているものはかなり片付いていること。国庫補助率が引き上げられること。学校などを移転再建する場合、元の施設の残骸を片付けることなども、国庫補助対象にすることを検討していること。
3 国では関係府省の担当者がチームをつくって、各市町村の復興計画づくりのお手伝いに入っていること。また、それぞれの所管事業について、今後2~3年の事業計画や工程表を今月中に作ること。これによって、道路や堤防の復旧復興が見えてきます。
4 市町村が事業を進める際に、大きな課題である財源について。基本方針では、国と地方の総事業費を、5年で少なくとも19兆円と見込みました。そして、その中で、地方の負担分(国直轄事業の地方負担分、国庫補助事業の補助残、地方単独事業)も、「地方交付税の加算を行う等により確実に地方の復興財源の手当てを行う」ことを、基本方針に明示したこと(4(3)⑥)。すなわち、通常の交付税とは別に手当てします。この財源を、各地方団体ごとに適確に配分する方法については、総務省で検討中です。

避難者支援情報

今回の災害に際して、政府が力を入れている一つが、被災者の方々への情報提供です。被災者支援チームの時も、復興本部においても、市町村だけでなく、被災者の方々に直接必要な情報をお届けすることに、意を用いています。
ラジオ・テレビや新聞といった政府広報だけでなく、壁新聞ハンドブックを作って、被災者の皆さんに渡るようにしています。その内容も、かなり工夫しています。このような試みは、初めてのことと思います。内閣広報官内閣広報室政府広報のご協力に感謝します。
もちろん、各市町村もそれぞれに、努力していただいています。きめ細かな地域独自の情報は、市町村でなければできません。また、各種団体やボランティアの活動も重要です。仮設住宅の高齢者に、ボランティアの方々が相談に行っていただく際に、使えるようなチラシも作っています。

今回、「仮設住宅の暮らし手引き」と「生活再建ハンドブック」第3版を作りました。「仮設住宅の手引き」は、なかなかの優れものです。体と心の心配や、悪徳商法の注意など、これまでは余り取り上げられなかった情報が盛り込まれています。すなわち、「役所らしくない」のです。このチェック項目(ハンドブックのP3)は、そのほかの生活でも、使うことができます。

今後、順次、仮設住宅に入っておられる方々に、お配ります。これがまた、難しいのです。避難所なら、体育館に張り出すとか、入り口においておけばよかったのですが。仮設住宅になると、そうはいきません。NPOやボランティアの方々2も、ご協力を頂こうと思っています。さらに、民間アパートを借り上げて入っておられる方への連絡となると、各地に散らばっておられるので、これはもっと難しいです。

お詫び

昨日、ホームページに「被災者支援班、広報班の諸君、ありがとう」と書きました。今日、仙台出張から職場に帰って、「品田君。あの記述で良かったかい?」と聞いたら、「がっかりです」との返事が返ってきました。
申し訳ありません。復興本部のホームページのうち、被災者支援関連情報を充実してくれたのは、品田事務官です。彼は、若いのに仕事ができ(早くて内容が優れていて)、優秀です。
ほかにも、優秀な職員がたくさん来てくれていますが、今日はここまで。

復興本部のホームページ

復興本部のホームページが、徐々に充実しています。
被災者等の状況」「仮設住宅や民間住宅など二次避難の状況」も、被災者支援チームのホームページを引継ぎ、情報を最新のものに更新しています。被災者支援班、広報班の諸君、ありがとう。
また、11日には、「基本方針」(7月29日決定)を、一部書き換えました。すなわち、第1次補正予算の際に、本来なら年金財源に充てるべき金額から2.5兆円を、復旧の経費に「流用」していました。今回、民主・自民・公明の3党の合意ができ、この金額について、3次補正予算の際に復興債で補填されることになりました。そのことを加筆しました。この金額は、ほかの要素が変わらないならば、増税などで財源を確保しなければなりません。