カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

住宅と人とのつながりと

8月5日に内閣府が、震災に関連した自殺者が16人になると、公表しました。6日付けの読売新聞が詳しく報道していました。仕事がなくお酒に頼る人や、飲酒運転が増えているとの報道もあります。
他方で、9日の朝日新聞は、仮設住宅での孤立を防ぐために、各地で対策がなされていることを伝えています。市から委託を受けた人が、仮設住宅を回ってお茶会を開き、お年寄りの話し相手を務めている例。仮設住宅の集会所に、週末に集まって、夕食会を開いている例などです。
住宅を造るだけでなく、このような心の手当も、必要です。

時代の雰囲気と歌

日経新聞は文化欄で、第2次世界大戦と敗戦を知る作家たちに、大震災について語ってもらう連載をしていました。その締めとして、8月6日朝刊に、宮川匡司編集委員が「求められる時代の歌」を書いておられます。
・・戦争を肌で知る作家・詩人の声を聞き、ある共通点に気がついた。どの人も現在の日本に、大きな不安や暗さを感じている。あの時代より暗いと感じるのは、なぜなのか。
1950年代から80年代まで、日本は右肩上がりの時代を生きてきた。しかし、バブル崩壊からリーマン・ショックへと至る時代の閉塞感は、一通りではない。この大震災は、その果てに起きた。戦中戦後を生きてきた方々の憂慮のわけは、そこにある。
財政の破綻、原発事故対策の遅れ・・・。嘆くべき材料を数え上げたらきりがない。ただし、日本人は政治・経済・科学技術の方策だけで混乱を乗り切ったわけではない。
かつて焼け跡には「リンゴの歌」が流れていた・・「青い山脈」もまた、そんな歌の一つ。「古い上着よ さようなら/さみしい夢よ さようなら」。暗い戦争の記憶を振り払うようなこの歌は、戦後を生きる人々を、どれだけ鼓舞したことだろう・・
不安が絶えない今だからこそ、人々が心を寄せる「時代の歌」がいる・・

救援物資の保管と仕分け、配送の無償協力

先日、国際空港上屋株式会社に、お礼に行ってきました。被災者支援のために、企業からもたくさんの物資が寄付されたことは、皆さんご承知のとおりです。海外からも、たくさんの物資が寄せられました。それらは主に成田空港に到着します。
それを一時保管し、物品ごとに仕分けし、搬送する必要がありました。実は、これが広い場所を取り、大変な作業なのです。この保管と仕分けを無償で、協力していただいたのです。しかもモノの性格から、事前に計画的に届くわけではありません。突然大量に届くのです。それらにも対応してもらいました。ありがとうございました。
また、それを被災県まで運ぶ搬送についても、DHLジャパンが無償で協力してくださいました。それぞれ、大臣名でお礼状を出したのですが、お会いしたいとの申し出があり、私の方からお礼に行きました。

物資を寄付してくださるのはありがたいのですが、いくつかの地方団体が個人からの寄付を一時断ったように、その保管と仕分けさらには個人への配達は、大変な作業なのです。これは、政府が調達する物資にも共通します。被災者支援チームのホームページでも紹介しましたが、調達と搬送に仕組みと人手がかかります。自衛隊には、大活躍してもらいました。また、中継拠点で物資がたまり困ったので、仕分けの専門家に助けてもらいました。
モノは、被災者にわたることと写真で「目に見える」のですが、このような作業やサービスは、一般の方には見えにくいです。私も携わって、初めて知りました。

関係者の皆さん、ありがとうございました。たびたびこのようなことがあっては困りますが、次回はこれを教訓に、円滑に行うようにします。

農業用ダムの決壊

今日は、復興担当大臣のお供をして、仙台市と福島県須賀川市へ。余り知られていないのですが、須賀川市にある農業用のため池「藤沼ダム」が、あの地震で決壊しました。ため池と言っても、大きなダムです。大量の水と土砂が、鉄砲水となって下流の住宅を倒し、死者も出ました。その現場を見てきました。
ダムから1キロ下流に住んでいた住民の方に、話を聞きました。お宅は開けた傾斜地にあり、そこへ横から、ダムからの谷筋が合流しています。谷を駆け下った土石流は、まっすぐお家を襲ったのです。
谷筋を、木が立ったまま、大きな音とともに、駆け下ってきたそうです。その後を大量の水が押し寄せ、しかもその水の塊は下が空いていた=大量の水が空を飛んできたそうです。あわてて逃げて助かったとのことですが、両隣のお家の方は流されました。
ダムに登ると、堤防は無くなっているのですが、残った部分を見ると、とても大きな断面=台形です。これだけの堤防が壊れるのですから、よほど大きな力が加わったのでしょう。また、水の無くなった湖も、広大です。ここにあった水が一気に流れ出ると、それもすごいエネルギーで駆け下ったのでしょう。

がれきの片付け状況

津波被害を受けた市町村の、がれきの片付け状況が、公表されました。今回は、推定がれき量のうち、どの程度片付けたかという割合に加え、散乱しているがれきのうち、どの程度片付けたかという割合も公表されました。その差は、これから解体される家屋の分です。すなわち、これから解体する家屋は、がれき総量に含まれますが、散乱がれきには含まれません。
実は、石巻市や釜石市では、がれきの片付けが進んでいるのに、片付けた割合の数字が20%程度と低い、との指摘がありました。確かに、住宅の周りのがれきは片付いているのです。理由は、「これから解体する家屋」でした。それを考慮すると、石巻市は、21%から87%に一挙に上がりました。ほとんどの市町村で、かなり片付けが進んでいます。もちろん、これは仮置き場まで運び出しただけなので、それらを焼却処分したりする必要があります。

また、47都道府県庁の「被災者支援窓口」を公表しました。被災者は全国に避難しておられるので、その方々のお世話をする窓口を、各県庁の協力を得て、明らかにしました。県庁内で、災害対策の所管部局はふだんから決まっていますが、被災者支援担当は決まっていない県庁も多いのです。今回改めてお願いしました。