カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

福島復興基本方針案

7月1日に、福島市で、国と県との協議会を開催しました。現在策定を進めている「復興再生基本方針」を議論しました。案は、作る段階から県や市町村とすりあわせをし、すでに、正式に県に送り市町村にも見てもらっています。何人かの方からは、「丁寧に意見交換をし、意見を取り入れてもらった」と、感謝の言葉をいただきました。いくつか未調整の部分があるので、さらに調整を進めます。(2012年7月1日)
7月6日に、民主党の関係PTが開かれ、了承の後、座長に一任されました。

被災地の病害虫駆除

7月4日に、日本ペストコントロール協会の方と、お会いしました。おどろおどろしい名称で、中世ヨーロッパを思い浮かべますが、ハエやネズミなどの病害虫駆除と言うと理解していただけるでしょう。
かつては、大きな問題でしたが、現在の日本では下水処理などが進み、見なくなりました。ところが、大震災では、大きな問題になりました。
トイレと下水処理場が壊れたので、仮設のくみ取り便所を作りました。また大量のがれきが発生しました。ここに、大量のハエとウジ虫がわいたのです。また、避難所では蚊の対策も大変でした。さらに、水産加工場が壊れ、大量の冷凍した魚介類が廃棄されました。ここにもハエが大発生しました。
この対策に、当たってくださったのです。記録をご覧ください。ここに載っている写真でもすごいですが、私が見せてもらったのは、もっとすごかったです。
今年も、津波被害地での蚊の発生が予測されています。たくさんの水たまりができました。昨年は海水で塩水だったのですが、今年は雨水になり、ボウフラが発生するのです。

23年度復旧予算の執行状況

今日、平成23年度の復旧・復興関係予算の年度末での執行状況を、公表しました。
予算総額は、14.9兆円。これは、何度かの補正予算を積み上げたものです。そのうち支出済み額は、9.1兆円。これは、国庫から支出された額です。すなわち、中には地方自治体に支出されたけれども、自治体から業者へ支払われていないものも含まれている可能性があります。
差し引き5.8兆円のうち、翌年度に繰り越された額(翌年度に使うことが決まっているもの)が4.8兆円。残りの1.1兆円が不要額です。

通常の予算なら、多額の不要額が出ると、お叱りを受けます。「もっと正確な見積もりをすべきだった」とか「なぜ、付けた予算が使われなかったのか」というようにです。しかし、今回はお叱りを受けないと思います。
復旧予算は年度途中で、急いで積算して計上しました。自治体などに安心して復旧事業をしてもらうために、急ぐとともに細かい精密さを求めませんでした。そんな余裕もありませんでしたから。「予算が足らなくて、工事に着手できなかった」とか「積算をきっちりしていたので、事業着手が遅れた」という方が怖かったのです。
不要額は、国庫に戻されます。まだ、復旧・復興事業は始まったばかりです。これから、事業が追加され、また動き始めた事業も金額が正確になっていきます。息の長い仕事です。
そして、繰り返しになりますが、復興はいくら予算を使ったとか、いくら余ったとかではなく、現地での復旧状況で評価されるべきものです。

復興指標

先日紹介した「復興状況の把握手法」の全体を、HPに載せました。これは、いわゆる「復興指標」です。
私たちの仕事は、被災地の復旧復興と被災者の生活再建が目標です。現地がどれだけ復旧したか、被災者の生活がどれだけ再建されたかによって、評価されます。いくら予算を使ったと言っても、法律改正をしたと自慢しても、現地で成果を上げないと意味がありません。
「これだけ資金を配りました」「これだけ制度改正をしました」は一つの指標ですが、それでは十全ではありません。インプットではなく、アウトカム指標が重要なのです。
今回お示しした指標は、そのような観点から作ってあります。また、抽象的なものではなく、現地で把握できるものとしました。
もちろん、これら以外にも、様々な指標や把握手法があります。多くの研究者や学会が、調査に入っています。それぞれ有意義なので、目的に応じて、活用するのだと思います。

復興本部から1年

昨年6月27日に、復興本部事務局に異動しました。内閣府ビルから三会堂ビルに移って、1年が経ちました。早いものですね。歳を取って、毎日が早く過ぎることと、毎日忙しくしていて、これまた時間が早く過ぎていきます。
その頃何をしていたか。事務記録を見ても、思い出せません。昨年3月の被災者支援本部は、あまりに強烈で、いくつかの場面を思い出すことができるのですが。日記や手帳を見ると、「そんなこともしていたなあ」と思い出にふけることができます。日記(災害復興のページ)は、書き続けて27ページにもなりました。
当時は、仮設住宅の建設を急ぎ、避難所から移ってもらうことが一番の課題でした。また、復興基本方針を作っていました。
復興本部は、2月に復興庁に衣替えしましたが、課題は同じなので、仕事の仕方に大きな変化はありません。もっとも、内容は、福島再生が大きな比重を占めるようになりました。