カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

津波被害地域での企業の廃業

一部の新聞でも報道されていましたが、宮城県庁が行った商工業者の営業状況調査が、7月に発表されています。それによると、沿岸地域では、商工会・商工会議所に加盟していた2万1千社の企業のうち、被災したのは約8千、被害なしが5千、回答なしが8千です。被災した企業のうち、6千3百社は経営を続けていますが、約千2百社が廃業し、未定が6百社です。
ただし、昨年11月時点の調査では千4百社が未回答・不明だったのが、今回は7千8百社に増えているので、この中には廃業して回答していない会社もあると思われれます。また、すべての企業が商工会や商工会議所に加盟してるわけではありません。

原発事故避難解除区域でのインフラ復旧

原発事故避難区域の見直しが進み、帰還できる、あるいは帰還準備に入る市町村が増えています。それらの地域では、除染を進めるとともに、インフラの復旧が必要です。7日に、4市町村について、公共インフラ復旧の工程表を発表しました。
津波地震被災地域は、すでに公表して工事を進めているのですが、原発事故避難区域では避難解除されないと、調査や工事には入れないのです。

続・復興のための職員臨時募集

岩手県庁が、任期付職員を採用します。先日紹介した宮城県庁の職員募集(県で採用して市町村に派遣)に続く試みです。市町村分77人と県職員分70人の計147人程度を採用します。
また、滋賀県長浜市は、宮城県気仙沼市を支援していますが、職員を採用して気仙沼市に送ってくれます。先日この欄で紹介した岡山市(7月25日の記事)に続く例です。長浜市は人口12万人、そんなに大きな市ではありません。ありがとうございます。他の自治体も、いろいろな形で応援してくれることを希望します (各県の募集状況、総務省のページ)。

国会質疑

今日7日は、衆議院復興特別委員会で質疑がありました。質疑者は16人、合計6時間の質疑です。そのために、昨夜は復興庁の職員総掛かりで、答弁資料を作成しました。
私は、いつものように家に帰って、「遠隔操作」。答弁資料案を送ってもらって、パソコンで修正指示を出しました。メールの記録を見たら、19時から25時までかかっていました。
昼間に職場で6時間も座っていたら、表彰ものですね。途中に、晩ご飯を食べ、お風呂に入りましたが。
そもそも、質問が判明したのが21時という質疑者もありました。それから、担当職員が関係資料を集め、答弁案を作ります。遅くなるはずです。
日頃、職員に「残業するな」「休日は休め」と、指示を出しているのですが。説得力がないです。しかも先日は、「夏休みをとれ」とも、指示しました(苦笑)。

金券による被災者住宅提供

8月3日の日経新聞経済教室に、山崎福寿日大教授が「災害に強い都市再生に向けて、開発規制の不利益補償を」を書いておられました。ここで紹介するのは、その前段に書かれていた、震災の際の住宅提供についてです。
東日本大震災では、仮設住宅を作る一方で、民間の賃貸住宅を借り上げて提供しました。仮設住宅4万9千戸に対し、民間借り上げ住宅は6万8千戸。このほかに、公営住宅(空き部屋)も1万9千戸提供しています(資料p3)。
民間住宅借り上げは、早く提供できる、住み心地も良い、便利なところにあるなど、仮設住宅を作るよりメリットも多いのです。一方、被災者が散らばるので、その把握と孤立防止が、課題になります。
山崎教授は、民間賃貸住宅を活用すべきとして、その際に、避難者にバウチャー(金券)を交付する仕組みを提言しておられます。民間賃貸住宅を提供する際には、いくつか問題があります。広さや家賃がばらばらで、不公平が生じること。行政が住宅を見つけて提供するのか、本人が見つけてきて申請するのかなどです。
先生の提言だと、家族の人数に応じて金券を渡すので、これらの問題が解決できます。金券(基準)より広い・高い住宅に入りたい人は、不足分を自己負担すれば良いのです。もちろん、民間住宅がない地区もあり、仮設住宅との併用になるでしょう。他に問題がないかを含め、検討すべき提言だと思います。