カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

原発被災地の復興、浪江町

読売新聞は毎月11日に、大震災特集を組んでいます。7月11日は「新たな「街」 活気少しずつ…」でした。
浪江町は、2017年春に避難指示が一部解除されました。町の面積の約2割、居住人口では約8割です。町の中心部が暮らせるようになったのです。
しかし、かつて2万人が住んでいましたが、現在はまだ千人です。少しずつ人が戻り、それにつれて商店が戻る。すると、また住民が戻るという過程にあります。
長期間住民が避難した町を復興するということは、これだけ大変です。

原発事故被災地での農業復興

東北農政局が、12市町村を訪問し、営農再開に向けた農業者の意向把握や、営農再開ビジョンの策定などの支援を行っています。
それをまとめた「震災復興室だより」の第30号(6月21日)がでました。具体事例が写真入りで載っています。数値による復興度も重要ですが、このように具体事例はわかりやすいですね。
商工業が徐々に再開されつつあり、次の課題は農業再開です。

原発被災地での農業再開

6月29日の福島民報が1面トップで、原発被災地で米の作付け面積が大幅に増えることを伝えていました。「今年産米作付け964ヘクタール 12市町村の旧避難区域

・・・東京電力福島第一原発事故で十二市町村に設定された旧避難区域などの2019年産米の作付面積は計約964ヘクタールで、昨年より約176ヘクタール(約22%)増える見通しになった。農地集積が進む楢葉町、農業法人が進出した浪江町では昨年の三倍以上となる。住民の帰還などに伴い生産者数が増えた市町村がある一方、一部では高齢化による担い手不足が顕在化している。各市町村は農家確保や荒廃を防ぐための農地集積に力を入れる・・・

楢葉町では、町が農地の利活用に関する農家の意向調査を実施した上で、農地を貸し出す意向を示した農家と営農希望者を仲介しました。JA福島さくらと連携して集積を進めた結果、営農面積が大きく伸びました。
浪江町では、仙台市に本社がある農業生産法人が大規模な作付けを始めたほか、各地区の農家が営農再開計画に基づき栽培に乗り出した成果、とのことです。
大熊町や双葉町でも営農再開に向けて、町役場が積極的に乗り出しています。
他方で、高齢化による担い手不足が、問題になっています。

震災遺児の支援

6月22日の日経新聞夕刊が「災害遺児ケアを世界に あしなが育英会、米で活動報告」を伝えていました。あしなが育英会は、交通事故遺児支援で有名ですが、震災孤児の支援もしています。

・・・自然災害などで親を亡くした子供のケア施設「レインボーハウス」を運営する「あしなが育英会」(東京)が、初めて米国の学会で活動内容を報告した。阪神大震災を機に始まった取り組みは、東日本大震災の被災地でも根付く。同会は「遺児の成長から得た知見を世界に発信したい」と意気込む・・・
・・・神戸だけでなく東日本大震災後に東北で開設した3カ所のレインボーハウスにも生かした。東北では年間のべ1千人ほどの親子が利用している・・・

遺児の支援と聞くと、育英資金を思い浮かべる人も多いでしょう。それだけでは、子供たちへの支援にならないのです。
震災で親を亡くした子供の、心の傷は大きいです。しかし、それをうまく伝えることができません。寄り添って話を聞き、つらさを小さくしてあげる必要があります。学校にもスクールカウンセラーを配置しているのですが、それだけでは十分な対応ができません。お金だけは解決できない問題です。
行政の手の回らないところを、支援してくださっています。

原子力事故の伝承

6月23日の読売新聞科学欄が「原子力事故 教訓の伝え方は」を詳しく解説していました。東京電力が、福島県富岡町につくった「廃炉資料館」です。

・・・原子力関連の事故が起きた現場近くには、事故に至った経緯などを伝えたり、現場の一部を保存したりする展示施設がある。事故の教訓を風化させず、社会と共有することが目的とされているが、説明が不十分と思われる部分もあり疑問を感じる点は多い。同じ惨事を防ぐためにも事実をしっかりと伝えていくべきだ・・・
・・・事故の記憶を風化させないため、資料館の意義は否定しない。だが、違和感を覚える点も少なくない。
入り口付近の「ごあいさつパネル」には、「事前の備えによって、防ぐべき事故を防ぐことができませんでした」と東電の反省の弁があった。何をどう防ぐべきだったのか・・・
・・・東電の子会社は2008年、「15・7メートルの津波が襲来する」と試算。東電幹部は事故を予見したが対策を怠った、と訴えられている。幹部は「試算は試行的なものに過ぎない」と主張しているが、こうした事故の核心部分を巡る議論が十分に説明されていない・・・

事故を起こした企業がすべてを説明できないなら、国が後世に伝えるべきだという主張もあります。津波被災地では、いくつか震災遺構が残されています。原発事故は、どうなるのでしょうか。