カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

総理官邸で復興推進会議

今朝、総理官邸で、復興推進会議(全大臣出席会議)を開催しました。
新内閣でも、東日本大震災からの復興が、政策の第一番に取り上げられています(「基本方針」8月3日閣議決定)。新しい体制で、復興の進捗とこれからの課題を確認しました。いつものように、簡潔に分かる「資料」を使いました。

会議のあと、私は福島に移動。定例の福島復興総局会議を開き、現地での関係者で、進捗状況と課題を確認しました。
台風が、各地に大きな被害をもたらしています。関東でも心配していたのですが、東京と福島は大きな影響がなく、新幹線も予定通り走っていました。

原子力災害からの福島復興再生協議会

今日は、福島市で、県と国との協議会(原子力災害からの福島復興再生協議会)でした。原発事故からの復旧について、国と県とが意見を交換する公式の場です。最近は、年に2回ほど開いています。国からは、復興大臣、経産大臣、環境大臣ほかが出席しました。現地で開くことに、意義があります。

今年の春には、帰還困難区域を除いて、ほとんどの地区で避難指示が解除されました。そこで、次のようなことが課題になっています。
・残る帰還困難区域で、早期解除を目指す「復興拠点」を進めること
・避難指示が解除された市町村で、住民が帰還できるように条件を整えること
・産業振興を進めること
・いまだに続く風評被害をなくすこと

今日の意見交換でも、これらの課題について、意見が出ました。地元と一緒になって、着実に進めていきます。
今日使った資料は、公開します。追って、復興庁のホームページに載ります。

復興、中国の研究者への説明

今日は、中国、北京大学の劉軍准教授のインタビューを受けました。劉准教授は、昨年から国際交流基金の研究員として来日し、慶應義塾大学法学部の客員准教授になっておられます。よく考えたら、慶應大学法学部の私の「同僚」なんですね。
今日のテーマは、東日本大震災からの復興です。一般的な現状などは、復興庁職員に対応してもらい、私は、劉准教授の関心であるNPOの役割、国・県・市町村の役割分担、民主主義と復興について質問に答えました。

大災害でも、暴動や略奪が起きない日本社会の強さを説明する際に、それが起きる諸外国との対比とともに、日本でもそれが起きた関東大震災との違いも説明しました。
住民に新しい町づくりを考えてもらうこと、それには1年かかること。国が決めれば早いけれど、住民の満足は得られないこと。
また、住民や国民は、世論調査では政府や役所に批判的な回答をするけど、復興などについてはかなり信頼してもらっていたので、仕事が進んだことなどもお話ししました。
外国の方に説明するために、どのように話したら伝わるか、その国とは何が違うかを考えると、特徴がよくわかります。私自身の勉強になります。

原発事故被災地の事業者再開支援

原発事故で避難を余儀なくされた12市町村での、事業者の再開のために、経済産業省が力をいれています。「福島相双復興推進機構」です。省だけではできないので、県や民間の方々に参加してもらっています(官民合同チームという略称もあります)。

事業者に戸別訪問をして、意向を聞き、相談に乗り、助言しています。既に、約5千事業者に、1万5千回を超える訪問をしています。「活動状況」のページに、個別事業者18人の声が載っています。ご覧ください。
もちろん、商圏の人口減、事業者の高齢化などで、再開を断念される方もおられます。その方々にも、相談に乗っています。

このような「個別事業者対面支援」に、経産省が取り組むのは、初めてでしょう。通常、国の役割は、制度をつくることです。今回の経験を通じて、現場での各論を踏まえた政策の企画が行われると、政策立案方法としてもよい効果をもたらすと思います。
すなわち、海外の例や東京の大企業相手の政策立案でなく、地方の中小事業者の実情を踏まえた政策立案です。ニューヨーク、北京、大手町を相手とした政策も必要ですが、福島をはじめとする国内の地方を相手にした政策です。それは、海外を見ても出てこない、現場を歩かないと出てこないのです。私は、そちらの効果も期待しています(ここは、公共政策論です)。

検査が生む風評?

原発事故による風評被害をなくすために、いろんな取り組みをしています。ところが、中にはジレンマがあります。安全検査です。
福島県産の米は、放射性物質がないことを証明するため、全袋検査を続けています。2014年産米からは、基準値を超える米は見つかっていません。これで安全が証明されているのです。
ところが、「厳重な検査をしているのです」と説明すると、消費者の中には「やはり検査をしなければ危ないのですか」と受け取る方もいるのです。
では、検査をやめるか。もう3年間も基準値超えの米は見つかっていないので、やめてもよいのですが。他方で、「検査しないのですか」という声が出る恐れもあります。
そして、この検査には、多大な労力と費用がかかっています。県では、どのようにして検査を縮小していくか、検討を始めました。福島民友の6月30日の記事

これと同じことは、牛の検査でもあります。2017年3月31日の産経新聞で、平沢裕子記者が「牛肉の放射性物質の独自検査 風評被害恐れ横並びで続く」という解説を書いています。
・・・福島など東日本の17都県で行われている農産物の放射性物質の検査について、国は4月から対象品目や頻度を縮小する。ただ、国の検査とは別に、自治体などが独自に始めた牛肉の検査は平成29年度も続けられそうだ。担当者の多くは「科学的に不要」と考えるが、風評被害の不安や流通業の要求などからやめられない状況が続いている・・・
・・・飛騨牛の生産地である岐阜県も全頭検査を実施。県は、28年度の検査費用約6千万円のうち約4千万円を負担、29年度もほぼ同規模の予算という。農政部畜産課は「この5年間で基準値超は一回もない。検査をやめたいが、検査証明書を求める流通業者もある。他の自治体が続ける以上、うちだけやめるわけにいかない」。
“横並び”の検査が続く中、検査を見直す自治体もある。松阪牛で知られる三重県は検査を外部へ移し、費用負担も行わないこととした。農林水産部畜産課は「検査費用を県が負担することで、実際は必要がない場合でも検査が行われてきた。自己負担なら不要な検査が減るのではないか」と期待を寄せる・・・
・・・「検査をすることが安全対策と誤解している消費者もいるのではないか」
こう指摘するのは、内閣府食品安全委員会フェローの姫田尚さんだ。安全のために大事なのは、むしろ生産・加工の工程管理をしっかり行うことで、検査は工程管理が適切に行われているか、確認するものという位置付けだ。
姫田さんは「自治体が食品の安全のためにやらなければいけないことは他にもある。流通側も生産者に無駄な検査を強いるのでなく、消費者が理解できるよう説明を尽くすべきだ」と話している・・・

この記事には、BSE牛検査についても紹介しています。
・・・BSEの安全対策は危険部位の除去が重要で、検査が安全を担保するわけではない。このため、海外で全頭検査を行う国はなかった。しかし、日本では初めて国内で感染牛が見つかった直後の平成13年10月から20年7月まで、国が検査費用を負担して全頭検査を実施。国の補助が打ち切られて以降も、多くの自治体が独自予算で全年齢の全頭検査を継続した。結局、厚生労働省が主導する形で自治体がこれを一斉に廃止したのは25年6月末。
近畿大の有路昌彦教授(食料経済学)は当時の試算として、BSE全頭検査の直接・間接の費用を約1兆円としている・・・
原文をお読みください。