カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

被災者の生活支援

復興庁は、被災者を支援するために、いくつもの事業を、自治体やNPOと行っています。今年度の事業について、それらの団体に国費を配りました。
この「被災者支援総合交付金」は、これまで現場の要望を受け新しく作ってきた事業への支援をまとめたものです。そこで名前を「総合交付金」としてあります。

どのような支援をしているか、資料(p4以下)を見てください。生活相談員による見守り、困りごと相談、コミュニティつくりの支援、被災者が活動できる場つくり(心の復興)など、本当に身の回りのことです。
これまで、行政では取り組んでいなかった分野ですが、避難生活が長引くこと、また帰還しても新しくコミュニティをつくらなければならないことから、このような支援に乗り出しました。
国には担当する省庁がないので、復興庁が行っています。

災害からの産業復旧、グループ補助金

4月17日の日経新聞に熊本地震1年として「グループ補助金、復興に光」が解説されていました。熊本地震でも、国のグループ補助金制度を生かして、工場や店舗を再建する動きが本格化しているとのことです。

この補助金は、東日本大震災の際に、経産省中小企業庁が創ってくれました。それまでは、災害からの復旧は事業主の自己責任でした。国は低利融資くらいしか支援をしませんでした。日本は自由主義経済・資本主義の国ですから、当然と言えば当然です。しかし、この被災地では、商店がなければ買い物もできず、工場が再開されないと働く場もないのです。経産省と財務省の大英断だったと私は評価しています。

記事では、東日本大震災での実績も載っています。その後順調に経営している企業がある一方で、経営破綻した企業もあります。そこで指摘されていることは、災害に遭う前から経営が苦しかった企業が設備を復旧しても、経営が良くなるわけではないことです。
ここは、難しいところです。売り上げを伸ばすために、復興庁では「結いの場」など、大手企業の協力を得て新商品開発や取引先拡大の支援をしています。「政府が取り組んでいる産業復興策

人材マッチング

河北新報連載「トモノミクス 被災地と企業」、4月7日は「現場に頼れる右腕 人材マッチング」でした。
・・・東日本大震災の被災地に送り込まれた228人が、復興をけん引する地域経済人の参謀についた。「右腕プログラム」。NPO法人「ETIC.」(エティック、東京)が構築した人材マッチングの進化形だ・・・
・・・プログラムは16年10月に募集を終了した。精神は新たな仕組み「ローカルベンチャー構想」に引き継がれた。エティックが釜石や石巻など8市町村と連携。「右腕」のノウハウを生かし、首都圏から人材を送り、民間投資を呼び込む。
「右腕」参加者のうち約100人が被災地で起業したり、派遣先地域に定着したりして地域経済に貢献する。人材マッチングのイノベーション(革新)が、新たな復興CSR(企業の社会的責任)を覚醒させる・・・
記事で紹介された事例は、復興現場で初めて挑戦した事例です。河北新報の記事の全文をお読みください。

人を求めている現場と、行きたいという人を紹介する「マッチング」。これは、難しい「お見合い」です。市場なら、価格という指標によって、売り手と買い手が結びつきます。しかし、この場合は、どこでどのような人を求めているのか、誰が行きたいのか、それを調べて結びつけなければなりません。拙著『復興が日本を変える』で、このお見合いの重要性を指摘しました。
事業を引き継ぎ、産業を振興するには、「人」が重要です。後継者であり従業員です。補助金などの支援も、それを使って事業に取り組む人がいてこそ、効果が現れます。何事も、人が基本なのです。
復興庁でも、「WORK FOR 東北」に取り組みました。「2月24日の記事

復興予算の執行状況

4月13日付けの各紙が、東日本大震災の予算の使われ方を報道していました。会計検査院の検査結果です。例えば、朝日新聞です。
・・・東日本大震災の集中復興期間だった2015年度までの5年間に、国が復興予算として計上した総額約33兆5千億円のうち、15年度末までに約9兆円が使われていなかった。会計検査院の調べでわかった。事業の遅れなどが影響したという。多くは翌年度以降の財源になっているが、事業内容が未定のまま計1千億円以上が自治体の基金に積み立てられていた。予算が使われたものの、十分に活用できていない事例もあった・・・

詳しくは、それぞれ本文を読んでいただくとして。
いささか、感慨にふけりました。復興を含め通常の事業なら、自治体から「予算が足りない」「毎年陳情しなければならない」などの要望や批判を受けます。ところが、今回は逆です。配られた予算が使い切れないのです。
他方で、「もっと精査して予算を計上し、配分すべきだ」という批判も受けます。もちろん、予算通りに執行されることが良いことなのですが。

復興事業の特徴として、精緻な計画や見通しがない状態で、事業を進めなければならないのです。また、現地で執行しやすいように、単年度でなく複数年度でも予算を配分しました。自治体で基金として、持っていてもらうのです。もし使い切れなかったら、翌年に繰り越してもらいます。
年度末に一々国に返納して、翌年に改めて申請をし直すというような手間を省いたのです。数年経って使い切れないとなれば、国庫に返納してもらいます。

自治体は安心して、事業を進めることができたと思います。
私は、今回のこの手続きは、ほかの事業にも応用できると思います。それによって、各自治体、各省、財務省、会計検査院の作業が、簡素化されるのです。関係者の大英断だったと思います。
このような良いことは、あまり報道されず、評価されませんねえ。

総理、福島視察

今日4月8日は、安倍総理のお供をして、福島の原発被災地復興を視察してきました。楢葉町の生乳生産を再開している牧場、帰還できるようになった富岡町夜の森の桜並木、同じく浪江町の商店、南相馬市では再開された小学校に行ってきました。
3月と4月に避難指示が解除された地区を中心に、復興の様子を見ていただきました。