朝日新聞生活欄が、7月28日と29日に、「戦争孤児の70年」を載せていました。
28日:両親失い「野良犬」と呼ばれた
29日:心押し殺し、親戚宅で生きた
過酷な生活を思うと、涙が出ます。1948年時点で、12万人だったそうです。大人ですら生きていくのが大変だったときに、子どもだけでは・・。最近の本に、石井光太著『浮浪児1945―戦争が生んだ子供たち』(2014年、新潮社)があります。
その人たちに、日本国政府はどのような支援をしたのか。満洲を始め海外に置き去りにされた多くの日本人も、同じです。私が、昭和21年に官僚だったら、何をしたか。
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行政-政治の役割
21世紀の政治
日本の政治:小泉改革
12日の朝日新聞は、「郵政改革、道路公団改革との差は」「二つの民営化、手法は対照的」を解説していました。記事の趣旨は、道路公団民営化改革法案が、国会では与党の賛成多数であっさり成立した。一方、郵政民営化法はそうでなかったことの要因が、改革の手法にあるということです。「族議員を排除、党と溝」「首相関与、骨組み堅持」「議論公開せず、冷めた世論に」というのが、見出しでした。
このような分析を否定しませんが、私は、もう少しいろんな角度から、分析すべきだと思います。この2つの改革の一番の違いは、総理のリーダーシップと、総理がどこまで成果を求めたか(ゴールの設定)だと思います。そして、責任者や審議会など手法の違いも、出てきます。
もう一つの小泉改革である三位一体改革は、もっと違った過程を取っています。そこでの政治主導、政治権力論、政治構造論については、「政治改革としての評価」として「続・進む三位一体改革」p142~に書いておきました。
政治意識世論調査
政治家の記録
伊藤隆著『歴史と私』(中公新書、2015年)は、伊藤隆・東大名誉教授が、日本近現代史研究を切り拓いてきた学者人生を振り返った記録です。特に、先生が力を注がれた、政治家の日記や記録の発掘、インタビュー(オーラルヒストリー)の記録です。それは本を読んでいただくとして、政治家の日記・記録についての一節を引用します。
・・・戦後日本は、あれだけ頑張って高度成長を成し遂げ、今もその遺産で世界で3番目のGDPを誇っています。それなのに、どうやってこの国を作ったかという記録が、少ししか残っていない。関わった人はすごく多いはずなのに、非常に残念です。
明治期はみんな、自分たちが新しい国家を作っているという自負があったから、積極的に記録を残しています。公文書だけではなく、それにまつわる私文書、そして議事録も残ってる。ところが時代が進むにつれて、だんだん史料が少なくなってくる。敗戦直後には、官庁は戦前の史料を燃やしました。都合の悪いものは捨ててよろしいという前例を作ったわけで、そのせいか、それ以後は文書を捨てることの罪悪感が希薄になりました・・・(p276)。