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行政-再チャレンジ

地方創生「小さな拠点・地域運営組織」

地方創生が、地域の交流拠点作りに乗り出しています。「小さな拠点・地域運営組織の形成(小さな拠点情報サイト)

「人口減少や高齢化が著しい地域においても、必要な生活サービス機能を維持・確保し、地域における仕事・収入を確保するため、地域住民自らによる主体的な地域の将来プランを策定し、地域課題の解決に向けた多機能型の取組を持続的に行う組織である「地域運営組織」の形成を促すとともに、各種生活サービス機能が一定のエリアに集約され、集落生活圏内外をつなぐ交通ネットワークが確保された拠点である「小さな拠点」の形成を推進しています。」
(役人らしい長い文章で、一度読んでも内容は把握しにくいですね(苦笑)。この文章を英語に訳せと言われたら、私は困ります。)

右側の動画「地域運営組織編」には、先日紹介した矢田明子さんのコミュニティケア(コミュニティ・ナース)も出てきます。

子ども食堂9千か所に

子ども食堂が、全国で9131か所になったそうです。これは全国の公立中学校の数に匹敵します。読売新聞12月18日の「子ども食堂、中学校数並みの全国9131か所に…コロナ禍後の活動再開が運営後押し」。「むすびえ」は、全小学校区での設置を目標にしています。その目標では3割達成です。

「むすびえ」の発表資料によると、次の通り。
・2023年度調査では、1,768箇所の増加となり、コロナ前を含めても過去最大の増加数となりました。総数では9,131箇所となり、全国の公立中学校と義務教育学校の数を合わせた9,296箇所とほぼ並ぶ箇所数となりました。

・小学校区に対する充足率(校区実施率)の全国平均は30.56%で、初めて30%を超えました。
上位は「沖縄県」56.70%、「鳥取県」54.62%、「東京都」51.26%となり、上位3都県はすべて50%を超える結果となりました。一方、充足率が低いのは、「長崎県」13.10%、「秋田県」15.34%、「福井県」(17.89%)でした。

・さらに、充足率(校区実施率)は重要な指標であるものの、他方で小学校の統廃合が進んでいる都道府県ほど充足率が見かけ上高く出るという不都合も生じかねないため、人口比指標(人口10万人あたりのこども食堂数)も併せて発表しています。人口比は、「沖縄県」(21.27箇所)、次いで「徳島県」(15.44箇所)、「鳥取県」(15.19箇所)が上位となりました。一方、人口比が少なかったのは、「長崎県」(3.68箇所)、「秋田県」(4.04箇所)、「千葉県」(4.61箇所)でした。

高齢者施設で子ども食堂

非営利団体が子ども食堂に先駆的に取り組んでいること、それが子どもへの食事提供だけでなく、多世代の交流の場になっていることを紹介しています。先日は、お寺が取り組んでいることを取り上げました。

企業も取り組んでいる事例を紹介します。介護事業を行っているソンポケア(SOMPOケア)の「SOMPO流 子ども食堂」です。老人ホームなどで子ども向けに無料で食事を提供することで、地域の交流拠点、子どもたちの居場所を提供しています。
約450の施設で毎月1回開催しています。入居高齢者と参加した子どもが、食事を一緒に食べ、レクリエーションなどで楽しんでいます。これらの高齢者施設は、調理場があり食事の提供が可能なのです。もちろん、それに関わる労働力や経費が必要となります。

入居者からも「子どもが来ると施設に活気が出て楽しい」「地域の一員であることを実感できる機会をもらった」との声があがっています。施設側の評価も、子どもたちがホームを訪れてくれることで利用者の笑顔が増え、職員の働きがい向上にもつながっているとのことです。

お寺で子ども食堂

全国で広がっている子ども食堂。支援している「むすびえ」によると、全国で7千か所を超えたそうで、今年はさらに増えているとのことです。

お寺でやっている事例の動画「こども食堂 多様なカタチ 〜宗教施設とこども食堂(お寺編)」を紹介します。13分の動画です。
そうですよね。お寺は、困っている人を救ってくれる場所でした(死後の世界も面倒見てくれますが)。また、地域の人が集まる場所であり、お寺と神社の境内は子どもの遊び場でした。近年は、葬式と法事で行くこともなくなり、お墓があるとお参りくらいでしょうか。

子ども食堂は、人が集まるきっかけになっているようです。子どもにとっても、一度行けば行きやすい場所です。お寺にとっても、良いことですよね。街や村には必ずあり、目立つ場所ですから。
ソーシャルテンプル」も、ご覧ください。

地域の看護師、コミュニティナース2

地域の看護師、コミュニティナース」の続き、矢田さんの発言です。「教科書に書いてあることは、「過去のこと」が多い。教科書通りだけのことをしていては、時代に乗り遅れます。ですので教科書に載る前の「実験」を続けています」は、耳が痛いです。

――行動力がすごいですね。
看護は実践学という思いが強いのです。看護に限らず、知は実践に生かさないと意味がない、と考えています。誤解を恐れずに言えば、教科書に書いてあることは、「過去のこと」が多い。教科書通りだけのことをしていては、時代に乗り遅れます。ですので教科書に載る前の「実験」を続けています。

――民間企業とのコラボレーションも進んでいます。
瞬間瞬間で出会った人と、考え方や感性が合えば、ご一緒しています。「コミュニティナースがいる日本をつくりたい」という計画を企てていこうという方たちです。1億総コミュニティナース化が目標。元気なうちからコミュニティナース的にかかわる、という共通目標をもっています。
日本列島を人体に見立て、そこに考え方が合った自治体や企業という「良い血液」を流し、いい細胞をつくるイメージです。これまで鉄道会社やコンサルティング会社、ガス会社や製薬会社などと連携を進めてきました。具体的には、コミュニティナースを派遣したり、社員を受け入れたりしてきました。これらの会社は、社会的な意義を感じ、トップ自ら経営マターとして取り組んでくれています。

――医療・介護の枠をはみ出ていますね。
自分では、社会システムの変革者、ゲームチェンジャーだと思っています。この国にまだない健康インフラをつくろうとしています。コミュニティナーシングというマインドやふるまいを、全国民が享受できる世の中にしていきたいと思います。