カテゴリー別アーカイブ: 2018年秋学期・地方自治論Ⅱ

慶應大学、地方自治論Ⅱ第10回目

今日14日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第10回目の授業。
いつものように、前回の授業で学生に書いてもらった質問に答えました。なかなか鋭い点をついてくる感想や質問があります。このような学生は、良い評価を与えたいし、世の中に出ても出世するでしょう。

白紙の出席カードもありますが、まあ、出席するだけでも良しとしましょう。でも、せっかく90分を使っているのですから、出席したら全力で授業に取り組んで欲しいですね。のんべんだらりと90分を過ごすのは、もったいないです。
壇上から話しかけている際に、うなずく学生やなど、目の輝きで学生たちの集中度がわかります。もちろん、学生にとってつまらない授業をしていては、学生の目も腐ってくるでしょうが。
「代返」と思われるカードもありますが、そこは大人の対応ということにします。もっとも、私にばれるようでは、実社会ではダメでしょうね(笑い)。

今日は、交付税制度のおさらいを終えたあと、地方債の説明でした。「本を読んでもよくわからなかった地方債が、よくわかりました」という意見がありました。うれしいですね。

慶應大学、地方自治論Ⅱ第9回目

今日7日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第9回目の授業。
いつものように、前回の授業で、学生に書いてもらった質問に答えました。日本の公的借金の多さに驚く学生が多かったです。また、財政政策、経済政策、産業政策についての岡本分類が、学生にとっては、新鮮だったようです。

今日の授業は、地方交付税の算定です。地方財政計画が、1800地方団体全体での財政保障であるのに対し、地方交付税の各団体ごとの算定が、各自治体への財政保障です。前者がマクロであり、後者がミクロです。学生の感想では、この仕組みの精緻さに驚く意見が多かったです。

そして、太平洋ベルト地帯の産業集積地域で集めた国税を、それ以外の地域に配っている「財政ポンプ」を説明しました。新幹線の地図を書いてです。これについては、多くの学生が、納得してくれました。同じ数表を説明するにしても、地図を利用したり、これまでの知識に接続すると、理解しやすいですね。

慶應大学、地方自治論Ⅱ第8回目

今日30日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第8回目の授業。
前回説明した地方財政計画と国家予算との関係を補足した上で、財務省に提供してもらったパンフレットで、日本の財政状況を説明しました。
少ない負担で多くの事業、特に社会保障に費やしていること。その差は、借金で埋めていること。このような財政運営は、先進各国でもダントツであることです。これから負担をする若者には、申し訳ない話です。

財政学の授業を取っている学生は少ないので、このような話の上に、財政の機能、経済政策や産業政策の分類、さらには経済活動を支えている国家の役割を話しました。
先進各国との比較や、これまでの日本財政の軌跡と今後の予想も。かなり視野を広げての話です。しかし、財政学や地方財政学の教科書に書いてあることなら、慶應大学の学生は読んで理解してくれます。本に書かれていないことをお話しすることが、私の役割です。

慶應大学、地方自治論Ⅱ第7回目

昨日16日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第7回目の授業。
まずはいつものように、先週の授業の際に学生から出された質問に答えました。出席カードに書いてもらう質問や感想は、学生たちがどこまで理解しているか、何に関心を持っているかを知る重要な手段です。
今回の本論は、「地方財政と国家財政」です。
この2つの歳入歳出がそれぞれどのような概要にあるか、交付税・補助金を通じてどのような関係にあるか、地方財政計画の機能などです。自治財政局に提供してもらった図を使って、説明しました。
ここは、日本の地方財政制度の特徴の1つであり、肝でもあります。授業後の学生の感想にも、初めて知った驚きの声が多かったです。

慶應大学、地方自治論Ⅱ第6回目

今日9日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第6回目の授業。地方税の続きです。
税収を確保するにはどのような方法があるか。人口を増やす企業を誘致する、観光客を増やすことも方法です。そのような状態を前提として、新税をつくる、税率を上げる方法もあります。もっとも、税率を上げると、お金持ちや企業は逃げていくでしょう。
地域間に税収の格差があるとともに、健康保険料や水道料金にも、自治体間で大きな格差があります。これらをどう考えるか。
事実を提供して、学生諸君に考えてもらいました。