カテゴリー別アーカイブ: 社会

行政-社会

世界の首脳の連帯を映像で見せる

朝日新聞1月29日オピニオン欄に、森達也さんが「対テロ、多様な視点示せ」を書いておられます。本旨と少し外れたところを、紹介します。
・・仏週刊新聞シャルリー・エブドへの襲撃事件直後、テロに抗議する大規模なデモ行進が行われたフランスに、世界40カ国以上の首脳が駆けつけた。「私はシャルリー」と書かれたプラカードを掲げながら「表現の自由を守れ」と叫ぶデモの様子は、最前列で腕を組みながら歩く各国首脳たちの映像と相まって、世界中に連帯の強さを印象づけた・・
・・実のところ各国首脳たちは、デモの最前列を歩いてなどいなかった。デモ翌日の英インディペンデント紙(電子版)に、首脳たちの行進を少し上から撮った写真が掲載された。見た人は仰天したはずだ。首脳たちは通りを封鎖した一角で腕を組んでいた。後ろにいるのは市民ではなく、数十人の私服のSPや政府関係者だ。つまり首脳たちは市民デモを率いてはいない。
ただしメディアが嘘をついたわけではない。首脳たちが市民デモの最前列で歩いたとは伝えていない。記事を読んだり映像を見たりした僕たちが、勝手にそう思い込んだだけだ・・
私も、この画像を見て、変だと思いました。職業病で、総理を危ないところに出してはいけないと考えます。ましてや、直近にテロが起こったところで、世界各国の首脳が集まるのです。テロリストにとってこんな「標的」は、めったにありません。近づかなくても、飛び道具を使えばよいし、命中しなくても近くで爆発すればよいのです。各国の要人警護担当が、よくまあこんな危ないことを許したなあと、疑問に思っていました。この解説で、納得しました。

ブランド商品から見た日本社会の変化

1月25日の日経新聞「そこが知りたい」は、フランスのクリスチャンディオールクチュール社長のインタビューでした。
まず日本市場の変化について。
・・この10年間で激変した。働く女性が増えたことが大きく影響している。かつては女性は25歳までOLとして働いた後は結婚して家庭に入った。お客さんとして戻るのは50歳を過ぎてからで、売れたのは圧倒的にバッグだった。
今の女性は結婚後も仕事を続け、各国の服に目を向けるので衣料品が売れるようになった。1980年代はパリや香港に旅行してブランド品を購入していたが、今は国内で買っている。円安が進み、中国や欧州からの観光客も日本でブランド品を買うようになった・・
一部の富裕層が支えているとの見方があることについて。
・・世界中で経済的な格差が広がり、金持ちがより金持ちになったことは確かだ・・日本の百貨店ではハイエンドなブランドは好調だが、中間価格帯のブランドが伸びない。中間層の所得が増えないのが問題だ・・

日本人論、日本社会論。2

私が大学生の頃は、日本人論・日本社会特殊論が、一つのはやりでした。ルース・ベネディクト、土井健郎、山本七平、ポール・ボネ・・・。学術的なものから小説、エッセイまで。私も、結構読みました。現在でも、日本人による、あるいは外国人から見た「日本特殊論」「日本優秀論」が、次々に出版されています。「日本人論を論じる」(日本人論論)が、一つの分野になります。
主流は、日本社会が、西欧先進国に比べ遅れているという、学者先生の指摘です。それも理解できますが、日本が遅れているのではなく、別の道を歩んでいるのだという分析、しかもより優れた道を歩んでいるのだという評価は、日本人にとってうれしいですよね。 日本が特殊であり、日本人が優秀だという指摘は、自尊心をくすぐります。そこで、日本社会論・日本人論は、一方で社会学であるとともに、「売れる」読み物になります。他方、日本の失敗、例えば日本軍の失敗や官僚の失敗は、これまた一つのジャンルになります。

日本人論、日本社会論

1月13日の読売新聞「戦後70年想う」は、中根千枝先生でした。『タテ社会の人間関係』(1967年、講談社現代新書)は、出版以来半世紀。累計116万部で、今も年に1万部が売れるのだそうです。日本の総人口が1億人ですから、100人に一人は読んでいることになります(50年間という時間を無視しています)。
私も、大学時代に読んで、なるほどと思った記憶があります。ところで、私が大学生の頃は、日本人論・日本社会特殊論が、一つのはやりでした。

現在の日本を分析する

昨日、月刊『中央公論』1月号を紹介しましたが、同号には、次のような論考も載っています。
山崎正和「知識社会論的観点から戦後70年をみる」
猪木武徳「悲観論を裏切り続けた日本経済の人材力」
鼎談、竹内洋、佐藤卓己、佐藤信「論壇は何を論じてきたか」
それぞれに、鋭い日本社会分析です。学校では教えてくれない、また新聞を読んでいるだけではわからないことです。これらも、併せてお読みください。