カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

デジタル化が負担を増やす

4月18日の日経新聞に「名ばかりDX、逆効果 アナログ風土の見直し遅れ」が、載っていました。詳しくは記事を読んでいただくとして。

マイクロソフト社の調べでは、2020年3月と2022年3月を比べると、オンライン会議が一人あたり2.5倍になっているそうです。休憩なしのオンライン会議を続けるとストレスが蓄積し、集中力が低下することが確認されています。
NTTデータ経営研究所の調査では、時間外に上司から緊急性のない電話や電子メールがあり、週1回以上対応している人は22.5%と増えているそうです。
時間外の連絡に対応する人の7割は、「気になることは早く終わらせたい」ことを理由に挙げています。

記事は「仕事も私生活も「常時接続」が当たり前になった」と表現しています。それが仕事を楽にするのではなく、負担を増やしているのです。
機械が入っただけでは、仕事は簡素化されず、逆に増えているのです。20年前に「IT化」が叫ばれ、仕事の効率化につながらなかったので、今度は「デジタル化」「DX化」と表現(包装紙)が変わりましたが、内実は変わりませんね。

働き方改革、制度改正と雰囲気と

国を挙げて取り組んでいる働き方改革。政府は法律を改正したり、補助金を出したりして誘導しています。それも効果を出しているのですが、制度改正だけでは進まない実態もあります。

4月21日の読売新聞解説欄に「改正育児・介護休業法 施行 男性育休増へ 企業も変革」が載っていました。
・・・改正育児・介護休業法が今月から施行され、子どもが生まれる従業員に育児休業(育休)制度を説明し、取得の意向を確認することが、全ての企業に義務付けられた。少子化の解消に向け、男性の育児参加を促すのが狙いだ。企業は、意識改革や働き方の見直しなど試行錯誤を始めている・・・
・・・育休は、原則、子が1歳になるまで認められる。男女を問わず取得でき、休業中は賃金の最大67%が雇用保険から給付される。
しかし、雇用均等基本調査によると、20年度の育休取得率は、女性が81・6%に対し、男性は12・65%にとどまる。育児や家事の負担が女性に偏り、2人目以降の出産意欲をそいでいるとの指摘もある。少子化の解消に向け、男性の育休取得の促進は急務だ。
厚生労働省の20年度の調査では、育休を希望しながら取れなかった男性は約30%だった。希望の有無にかかわらず取らなかった理由を聞くと、「収入を減らしたくない」が約41%で最も多かったものの、「職場が育休を取得しづらい雰囲気」も約27%に上った。育休を取った男性がいない職場では、取っていいのかわからないケースや、評価や昇進に影響すると不安に思うケースが指摘されている・・・

4月18日の朝日新聞生活面には、「有休取得、まだ欧州より低水準 2020年、取得率は過去最高だが…」が載っていました。
・・・有休は勤続年数などに応じて企業から付与される。厚生労働省によると、20年に従業員が付与された有休は平均17・9日。そのうち実際に取得したのは10・1日、取得率は56・6%で、いずれも調査を始めた1984年以降で最高だった・・・
・・・海外と比べるとどうか。旅行予約サイトのエクスペディアが21年、16の国・地域で約1万5千人を対象に調べた結果、日本の有休取得日数は12日で上から7番目、取得率は60%で下から3番目だった。
上位を占めたのは欧州で、ドイツは取得日数が28日、取得率が93%といずれも最多。フランスは25日で83%、イタリアは20日で77%だった。
一方、米国は取得日数が8日と最も少なかった。ただ、付与日数も少ないため、取得率は80%と高かった。
欧州に比べ、日本の取得率はなぜ低いのか。国が民間の調査会社に委託して21年9月、全国の正社員5千人を対象に調べたところ、46%の人が、有休の取得に「ためらいを感じる」「ややためらいを感じる」と答えた。
主な理由として「みんなに迷惑がかかる」「後で多忙になる」「職場の雰囲気で取得しづらい」との回答が多かった。十分な有休を取れるような職場の態勢や環境の整備が求められそうだ・・・

4月18日の日経新聞女性欄「男性育休「不安は昇進」 子育て世代が本音の座談会」には、育休取得経験のある男性156人への調査結果が載っていました。男性が育休を取りやすくなるために必要なこと」は、74%が上司の理解、64%が同僚の理解、53%が昇進や配置転換で不利にならないことです。

面談が社員の安心感を高める

4月18日の日経新聞「働き方innovation 生産性上がっていますか」は「積水ハウス、キャリア面談は安心感が要 挑戦意欲高める」でした。
・・・積水ハウスが気兼ねなく意見をぶつけ合える関係づくりに力を入れている。生産性が高い組織に共通するといわれる「心理的安全性」を確保し、社員自身がキャリア目標をどう達成していくかを上司がフラットな立場で聞く機会を設けた。部門を超えて事業アイデアを練り上げるアプリも用意。社員の挑戦意欲も高まりつつある・・・

・・・同社はキャリア面談を組織風土改革の根幹と位置づけ、2021年から始めた。目標達成度などを確認する面談とは別で年5回、職場によってはそれ以上実施することもある。「部下の話を『聞き切る』ことで、心理的安全性の醸成につながる」と藤間美樹・執行役員人財開発部長は説明。社員が自らキャリアを考え、決める「キャリア自律」を支援する狙いがあるという。キャリア自律は一人ひとりが何をなし遂げたいかを積極的に発信し、上司もそれを受け止める安心感があって成り立つとみる。
積水ハウスでは部下を持つ管理職4000人に対し、動画研修などを通じてキャリア面談のやり方を学んでもらった。「どうした?」「それで?」「どういうこと?」「で、どうするの?」の4つの言葉を投げかけるといった簡単なコツを伝えた。岩本さんの場合は3人の部下に対して週1回10分程度のキャリア面談を実施。気を付けているのは「自分の考えを押しつけない」「自発的に問題や課題を発見してもらう」「店長としての話はしない」の3つだ。
入社して10年になる沢田さんは「上司とこれほどしっかりプライベートな話をする機会はなかった。心にゆとりが生まれるし、ポジティブな感じになる」と話す。目指すのは、部下が育って生産性が上がる→上司の仕事の質も高まる→チームや組織が強くなるという好循環だ・・・

記事には、心理的安全性(働きやすい職場)について、次のような話も載っています。
・・・心理的安全性は米グーグルが社内で最もパフォーマンスの高いチームの特性の筆頭に挙げたこともあり、「それ以降、特に注目が集まっている」とリクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所の今城志保主幹研究員は説明する。
人材サービス大手のエン・ジャパンの調査(有効回答約8900人)では、職場のどこに心理的安全性を感じるかという質問に対する複数回答で「他愛のない雑談ができる」(75%)が首位。「心身の状態を配慮し合える」(28%)、「人格や発言をむげに否定されない」(27%)などの回答も目立った・・・

一対一の面談を行うことが広がっています。しかし面談にも、二つの違ったものがあります。評価のための面談は「評価」であり、お互いに緊張します。心配を少なくする「相談」とは別のものです。

一年生の不安

「ドキドキドン!一年生」という歌を知っていますか。

サクラさいたら いちねんせい
ひとりでいけるかな
となりにすわるこいいこかな
ともだちになれるかな
だれでもさいしょはいちねんせい いちねんせい
ドキドキするけどドンといけ
ドキドキドン!いちねんせい
ドキドキドン!いちねんせい

歌詞もメロディーも、愉快な歌です。ところで、この歌をよく見ると、小学一年生だけでなく、社会人一年生や新しい職場に移った人の不安を適確に表しているのです。
「ひとりでいけるかな」は、新しい仕事をこなすことができるだろうかという不安です。
「となりにすわるこいいこかな ともだちになれるかな」は、職場の人とうまくやっていけるだろうかという不安です。
職場の不安って、この二つなのですよね。難しく言うと「業務の執行」と「職場の人間関係」です。
でも、自信たっぷりな周りの先輩たちも「だれでもさいしょはいちねんせい いちねんせい」でした。
そうです、「ドキドキするけどドンといけ」

幸福学、前野隆司先生

日経新聞夕刊「人間発見」、4月11日から、幸福学研究者の前野隆司さん「幸せはどこにある」です。前野先生は、このホームページや連載「公共を創る」でも紹介しています。

・・・人はどうしたら幸せになれるのか。そのメカニズムを明らかにしたいと思い、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司さんは「幸福学」という学問を始めた。哲学や心理学といった文科系の思考だけではなく、データに基づく理科系の視点から幸福の本質をとらえる・・・

・・・幸福学の基礎となるのは、1500人の男女から集めたアンケートを基に統計的手法を用いて導き出した4つの因子だ。
1つ目は自己実現と成長です。「やってみよう」因子と名付けています。やりがいや強みを持ち、主体性の高い人は幸せということを表します。2つ目は「ありがとう」因子。つながりや感謝、利他性や思いやりを持つことが幸せにつながります。
3つ目は「なんとかなる」因子です。前向きで楽観的、何事もなんとかなると思えるポジティブな人は幸せです。4つ目は「ありのまま」因子。自分を他者と比べすぎず、自分らしさを持っている人は幸せになります。
この4つの因子を満たすように心がけていれば、幸せになると提唱しています・・・

・・・働き方改革や健康経営の重要性が叫ばれるなか、企業の幸福学への関心が年々、高まっている。
企業に呼ばれて話をしたり、企業が私の講演に社員を参加させたりと、関心の高まりを実感しています。企業の目的は利益を上げることですが、そのためには従業員を幸せにすることが大事だとの認識は着実に広がっています。
従業員を幸せにする経営の有効性については、様々なエビデンスが得られています。幸せな従業員は不幸せな従業員に比べて生産性や創造性が高い、欠勤率や離職率が低いなどです・・・