カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

国会が始まりました

今週もあっという間に終わって、今日は金曜日です。26日月曜日から国会が始まったので、霞が関の多くの部署は、国会対応時期に入りました。今風にいえば、「国会モード」です。幹部は、質問が出るのを待って、答弁作り。そして、早朝の大臣へのご説明。若手職員は、国会質問が出そろうまで、職場で待機。関係部署は答弁案ができるまで、残業です。大臣が朝から夕方まで国会に出席しておられるので、その間は現地視察どころか、私たちからの説明もできません。事前に審議日程が決まらないことも、予定を立てられないので、困ります。
もちろん、その間に、国会提出法案の準備があり、通常業務もあります。しかし、人間に与えられているのは1日に24時間です。国会中心の仕事になると、他の仕事の優先順位が後回しになります。答弁案に、完成時刻が28時とか書いてあると、「う~ん、この担当職員に、今日新しい仕事を与えるのは、あかんなあ」と考えてしまいます。国会での審議に答えるのは、民主主主義の基本です。しかし、公務員の仕事や待機を、もう少し効率化できないかは、大きな課題です。

施策と成果の全体像をバランスよく示す

今日、官邸で復興推進会議(全閣僚等の会議)を開きました。今回のテーマは、この1年間の取り組みとその成果、もう一つは、平成26年度の取り組み方針です。
ところで、成果と課題や施策体系を、わかりやすく示すことは、意外と難しいのです。
閣僚、各省、関係自治体、被災者、マスコミ、支援してくださる多くの関係者に、どこまで進んだか、何が課題かを理解してもらうのは重要です。また、その課題にどのように取り組むかという政策体系を示すことも、重要です。
そして、個別ばらばらでなく、全体像を示すことも重要です。バランス良くかつ簡潔に整理するのは、結構難しいのです。官僚は、自らが担当している部門については、詳しい資料を作ります。でもそれは、自らの関心分野だけなので、各省や各部局から出てきた資料を、ホッチキスするだけでは全体像を示すことはできません。それぞれの仕事は重要なのですが、それを羅列しただけでは、各事業の位置づけや重みがわかりません。体系図が必要であり、重要度に応じた分量配分、統一された様式が必要です。司令塔の役割です。
また、官僚は、自分たちがやったことを書きます。何をやったかは重要ですが、施策(予算や通達)は霞が関ではアウトプットですが、現地ではインプットです。それによって、どれだけ進んだかを示す必要があるのです。「取り組みと成果」という表題には、そのような意味があります。そして、しばしば都合の悪いことを書きません。でも、都合の悪いことを隠していては、問題が片付きません。どこまで進んでいないか、何が課題かも、重要な指標です。
良くできた資料かどうか。それを簡単に判定するには、記者さんに聞くのが一番です。彼らにわかってもらえれば、まずは合格です。

匿名発言の危険

12月23日の朝日新聞社会面「2ちゃん、匿名の代償 「身バレ」で失った信頼」から。
・・ネット掲示板「2ちゃんねる」から今年8月下旬、3万件以上の会員情報が流出した問題が、思わぬ事態を引き起こしている。相手をののしり、自作自演の書き込みをした人たちが、ネット上で次々と特定されている・・
・・気鋭の男性小説家(35)はこの秋、作家仲間や出版社へのおわびに追われた。
作家は2ちゃんねるの掲示板で、ライバル視していた小説家を「虚言癖がある」と攻撃し、別の小説家の作品が原作の漫画については、アンケートをした出版社を「打ち切り確定なのに資源の無駄」と批判。一方、自身を「(出版社が)『作家買い』をする例外中の例外」と自賛していた。
一連の騒ぎで、ネットで暴言や中傷を繰り返していたことが発覚し、仕事上の関係先や信頼を失った。
作家は取材に「相手を見下したい、おとしめたいという漠然とした悪意があった。相手の欠点とみた部分を、一方的に罵倒する書き込みは快感だった」と振り返る。賛同する書き込みを見つけると、快感がさらに増したという・・
・・匿名の書き込みが誰のものか、投稿主の身元がわかってしまうことをネット用語で「身バレ」という。2ちゃんねるの会員情報流出から4カ月たった今も、ネット上では誰の書き込みかを特定する動きが続いている・・
・・今回は会員情報に加えて、数十万件の書き込み履歴が流出したことで、個人が特定された。ただ、これまでも身近な人物が情報を漏らすなど、ブログや掲示板の投稿主が特定されたケースは多い。「ネットに匿名は存在しない。そう思って利用した方がいい」。
「ネットの記録性にも目を向けて欲しい」と注意を呼びかけるのは、ネット上のコミュニケーションを研究する関西学院大の鈴木謙介准教授(社会学)だ。ネットに記録された情報は拡散し、消し去ることは不可能に近い。検索も簡単だ・・
記事には、「ネット利用の心がけ5カ条」も載っています。参考になります。このサイトは実名ですが、特に5番目は、私も時々やってしまいます。
1 情報は漏れると心得よ~第三者の流出事故まで防げない。
2 匿名なんて、あり得ない~IPアドレスや履歴、足跡だらけ。
3 いつか、あなたも狙われる~過去の情報が特定の材料に。
4 失敗は闇夜とともに~夜中は気持ちが大きくなる。
5 飲んだら書くな 書くなら飲むな~お酒は判断を鈍らせる。

企業が抱える法令順守トラブル

12月16日の日経新聞法務面に、同社が実施した「2013年企業法務・弁護士調査」結果が載っていました。
それによると、企業の4割以上が、国の内外で、コンプライアンス(法令遵守)でのトラブルを抱えています。
地域別(3つまで選択)では、アメリカが39%、中国が35%です。テーマでは、労働・労務関連が70%(複数回答)です。セクハラ・パワハラ関連が35%ですが、日本では55%になっています。
社員向けに、ソーシャルメディア利用指針を作る企業が増えています。40%が書き込む内容を制限するなどの禁止策をとっています。仕事について書くことを全面禁止している企業が34%、社名を使っての利用禁止が10%です。

公務員のセクハラ、パワハラ防止

12月は、1日から公務員倫理週間が始まり、4日からは「国家公務員のセクシュアル・ハラスメント防止週間」が始まりました。復興庁も常駐職員が500人になり、全職員に注意を喚起するとともに、ビデオ学習やインターネットによるテストを受けてもらっています。また、セクハラと合わせ、パワーハラスメントの防止も呼びかけています。
実際の事例を、見てください。ひどいのが、ありますね。国家公務員の人事関係の相談件数のうち、22%がパワハラで、セクハラが3%、パワハラ以外のいじめが6%です。職員教育が必要なわけです。
でも、12月は、1年で一番忙しい時期なのですよね。2つ合わせて「週間」をしなくても良いと思うのですが。倫理週間は、年末年始に羽目を外さないようにという、歴史的なものなのでしょう。セクハラ、パワハラは、春や秋にやれば良いのに。わざわざ重複して行うには、何か理由があったのでしょうね。