岡本全勝 のすべての投稿

政党政治と官僚政治

今月の日経新聞、私の履歴書は、高村正彦・自民党副総裁です。8月10日の記事から。
・・・90年代前半の政界では、政治改革の是非が最大の争点になった。中選挙区制から小選挙区制に移行すれば全てがよくなる。無責任な議論が横行した。
同じ党の中で切磋琢磨し、世代交代を図る。私は中選挙区制が大好きだった。派閥が衰退し、若手を育てる場がなくなった。最近、よくいわれる小選挙区制の弊害を私は当時から指摘していた。
ただ、柳沢伯夫さんの「政党政治を確立しないと、ばらばらの政治家は一枚岩の官僚組織に分断される。官僚政治を打破するにはこれしかないんだ」との言葉を聞いて、一理あると思った・・・

戦争孤児

8月10日の朝日新聞オピニオン欄は、金田茉莉さんの「孤児たちの遺言」です。

・・・72年前の終戦の後、東京・上野の地下道は浮浪児であふれ、数え切れない子どもたちが餓死し、凍死しました。生きた証しすら残せず、「お母さん」とつぶやき、一人で死んでいった・・・浮浪児と呼ばれた子どもの大半は戦争孤児です。学童疎開中に空襲で家族を失った子もたくさん路上にいました。だれも食べさせてくれないから、盗みを働くほかなかった。不潔だ、不良だと白い目でみられた。「浮浪児に食べ物をやらないで」という貼り紙まで街頭にありました・・・
・・・当時5年生だった男性は、集団疎開から戻った上野駅で迎えがなかったそうです。パニック状態になり、焼け跡で家族を捜しても見つからず、日が暮れて駅に戻りました。「生きていないと親に会えない」と思い、盗みを始めたと打ち明けてくれました。同じ境遇で一緒に地下道にいた3年生の男の子は、何日間も何も口にできず、「お母さん、どこにいるの」と言った翌日、隣で冷たくなっていた、と。いったん親戚や里親に引き取られても、重労働や虐待に耐えかねて家出をして、浮浪児になった子も数多くいました・・

戦争孤児については、このページでも、何度か取り上げたことがあります。政府として十分な支援をしなかった、というより責任を果たさなかったことについてです。
何度読んでも、涙が出てきます。ひどいことをしたものです。両親を失い、だれも助けてくれない。子供が一人では、生きていくことはできません。ひもじい思いをして、両親を思い出しながら、ある子どもは生き抜き、ある子供は餓死していったのです。
戦争中も大変な暮らしを強いられましたが、身寄りをなくした子供たちにとっては、戦後の混乱期のほうが過酷でした。大人たちも、生きていくのに精一杯だったのですが。
政治と行政の責任を痛感させられます。

東日本大震災でも、大勢の遺児や孤児が生まれました。子供たちが困らないように、行政やNPOによる支援がなされています。もっとも、心の傷を埋めることはできません。

不安定な天候

東京は、一昨日9日は最高気温が37度。今朝11日朝は、22度です。とても涼しくというか、寒く感じました。そして曇っていて、天気もあまり良さそうではありません。梅雨の時期に戻ったような天候です。
今日から3連休、そしてお盆休み。子ども連れで行楽に行かれる方も多いでしょう。天気がよくなるとよいですね。
この夏は、東日本は晴れの日が少なく、平年の4分の1のところもあるようです。心配になるのが、農作物の生育です。

働くお母さん、県別の違い

8月7日の日経新聞女性欄が、県別のM字カーブの比較と分析を載せていました。「M字カーブ落ち込み最少 働くママ、青森が1位のわけ
M字カーブは、女性の労働力率が、子育て期に落ち込み、その後再度上昇する現象を、グラフの形から命名したものです。子育てしながら働くと、M字の真ん中の落ち込みは小さくなり、台形に近づきます。
記事によると、ピークと底との落差が一番小さいのは、青森県で約5ポイントです。続いて、岩手県、高知県、鳥取県です。
他方、落差が大きいのは、神奈川県で20ポイントです。次いで、奈良県、愛知県、埼玉県です。
これだけも、有意な差があるのですね。3世代同居など、子育てしやすい環境の差が出ているようです。
ちなみに、共働きの率は、1位は山形県で68%。福井県、島根県、富山県と続きます。最下位は奈良県で46%。大阪府、神奈川県、東京都、兵庫県と続きます(2010年国勢調査)。

もっとも、記事でも触れられていますが、30~39歳既婚男性で年間所得が500万円以上の比率をみると、神奈川が42.7%に対して青森は4.9%です。県の担当者も「男性が稼げない分、女性が働かざるを得ない現実もある」と指摘しています。

明るい公務員講座・中級編32

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第32回「仕事の仕方を変える(2)迫る働き改革の波」が発行されました。
前回、世界一と言われた日本の企業が順位を落とし、行政が評判を落とした理由として、「官僚主導の国づくり、日本的労働慣行、集団主義」の3つがキャッチアップにはよく機能し、先進国に追いついた時点で短所になったと説明しました。
しかし、従来型の集団主義になじんだ人たちは、それを変えることが難しいのです。「この国のかたち」の改革は、根っこでつながっています。官僚主導から政治主導への改革も、その一つです。

働き方改革は、労働時間を短くするだけでなく、またそれを実現するためにも、意思決定の方法を変える必要があるのです。「みんなに合わせる」「指示を待つ、指示に従う」ではなく、「各人が考える」「上司が判断し、責任を持つ」にです。
では、「指示に従う」に慣れた人が、「自分で考えよ」「残業はよくない」という指示受けたらどうなるか。一斉に定時退庁して、働き方改革は実現するでしょう(苦笑)。
今回の内容は、次の通り。
仕事の仕方が時代に合わなくなった、集団主義の罪、静かな社会革命、この国のかたちの改革

次回から、仕事の仕方の改革について、具体的に何を変えたらよいか。職場の無駄とその改善方法を解説します。