岡本全勝 のすべての投稿

人を送りこむ支援

6月にインタビューを受けた記事が、「みちのく仕事」に載りました。少し古くなりましたが、仕事の概要は変わっていません。「みちのく仕事」は、ホームページを見ていただくとわかりますが、人を送り込む支援をしています。被災地でがんばってみたいと思っている若者と、仕事をつなぐ。さらには、企業と連携もしています。これまでは、職業安定所(ハローワーク)しか、なかったのです。
お金やモノでなく、人による支援です。これは、結構「隙間」です。事業や企画、さらに組織がうまくいくかどうか。それはお金以上に、人にかかっています。皆さんも、それぞれの職場で、日頃感じておられると思います。
情熱を持って、かつ技能を持って、継続的に支援してもらえる人。それを探すことは、案外難しいです。市町村役場の職員だと、通常は終身雇用になります。しかし、被災地で必要とされているのは、3~5年の仕事です。かといって、臨時のパートですむような、単純作業ではありません。

母体となっている「ETIC」は、起業家支援のNPOです。そのノウハウを活かした支援です。少しでもお役に立てるかと思って、インタビューに応じました。一つ注文があります。この記事に付いている写真だと、復興庁には職員が3人しかいないようです。本庁には、職員が200人いるのですが。「イケメンを選んで載せました」とのことです。前島、中村、松井君が、仕事ができてハンサムなことは認めますが。田中君、ほかの職員から不満が出るぞ(笑い)。

8月は休めない

職員との会話です。
職員A:夏休みを取って、良いですか?
全勝:もちろん。ところで、何日休むの?
職員A:3日です。
全:だめ。そんな短いのでは。1週間は、休みなさい。

全:あんたは、夏休みを取ったの?
職員B:いいえ、今は予算要求の時期ですから。統括官だって、休んでいないじゃないですか。
全:ごめん。

今は8月。世間では夏休みで、家族旅行なども多いと思います。ところが、霞ヶ関では、その世間の常識に反した(?)仕事のスケジュールが、永年続いています。
例年7月に、翌年度の予算要求の基準(いわゆるシーリング)が示されます。それを受けて、8月末に各省から予算要求書が、財務省に提出されます。今年は、8月17日に基準が示され、要求締め切りは9月7日です。
すなわち、要求する側の各省は、7月と8月は、来年に向かって予算要求書を作り・とりまとめる「真っ盛り」なのです。各課で原案を作り、局で調整し、さらに各省で調整します。そして、与党との調整も必要です。で、結局予算に関係する職員は、休めないのです。
代案は例えば、提出期限を9月末にしてもらって、予算査定は10月から。というようになれば、みんな休めるのですが。

新卒の非正規雇用4万人、ニート3万人

8月27日に文部科学省が、学校基本調査速報を公表しました。今朝の各紙が大きく伝えています。学生数や進学率ではなく、大学を卒業した若者就職状況です。
それによると、今春大学を卒業した56万人のうち、就職した者は36万人、64%でした。ただしそのうち2万人は、正規の就職ではありません。そのほか、一時的な職に就いたのが2万人。この二つを合わせると、非正規雇用は、4万人です。就職も進学もしていない者が9万人です。これら3つを合わせると13万人、23%の人が、安定的な職業に就いていません。
また、就職も進学もしていない者9万人のうち、進学準備中と求職中の人を除くと=ニートは3万人います。

事件に巻き込まれたときの判断

昨日、北京で、丹羽宇一郎大使の乗った公用車が襲われ、国旗を奪われるという事件が起きました。2台の車に挟まれて、カーチェイスしたようです。そのさなかに、同乗していた山崎和之公使が、携帯電話のカメラで、犯人とその車のナンバーを写真に撮っていたと、新聞が伝えています。そしてそれを、中国当局に渡したと。
さすが、山崎君。どんなときでも、冷静です。外交官には、このような判断も求められるのですね。