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NPOが活用できる予算

復興庁では、NPOの活動を支援しています。平成24年度補正予算案に盛り込まれた事業で、NPOが利用できるものをとりまとめました。活用してください。
特によく使っていただいているのが、「震災等緊急雇用対応事業」です。被災者を雇って、仮設住宅の見回りなどに従事してもらっています。この基金も、現地での要望を受けて、積み増しして延長しました。ただし、これはまだ予算案なので、成立しないと使えません。ご注意ください。

科学者が、自ら失った信頼

原発事故によって、科学者や技術者への信頼が大きく損なわれました。1月24日の朝日新聞オピニオン欄、有本建男・政策研究大学院大学教授のインタビューから。
「なぜ信頼が失われたと思いますか」との問に対して。
・・原発事故に加えて、事故後の科学者や技術者のふるまいが大きかったと思います。危機のときは、専門家の知識や経験を総動員して対処すべきですが、その先頭に立つべき立場にあった人たちの言動からはその責任感が十分には感じられませんでした。
政府内から学会まで、科学者たちの組織も、積極的に動こうとせず、多くの人の目に触れたのは、テレビなどで個人的見解を披瀝するばかりの人たちでした。まっとうな専門家も大勢いたはずで、そうした人たちが事故に関する情報を得て冷静な議論をし、発信できたらよかったのですが。結局、個人の資質に加え、専門家の知恵をうまく動員する仕組みがなかったことが響きました。市民が一番必要としていたときに役割を果たせなかったのですから、信頼が失われて当然です・・
・・日々の生活から、環境・エネルギー問題、そして経済や外交に至るまで、社会活動の全般にわたって、科学技術は大きな影響を与えています。さまざまな政策決定に、専門知識を持った科学者や技術者の役割は本来、不可欠なはずです。
彼らが信頼されず、原子力規制委員会の人事をめぐる議論でもあったように、ともすれば排除の風潮すらあることは、社会にとって不幸であることはもちろん、日本という国自体が海外から「信頼できない国だ」とみなされるのではないか、と心配しています・・

「どうすれば良いか」との問に対して。
・・科学者とその集団の思考の枠組みや価値観を変えることです。相変わらず「論文か死か(publish or perish)」という古い価値観にとらわれている研究者が多い。社会や学問体系の中での自分たちの位置を明確に意識し、公共、公益についての深い思考が求められます・・研究者は研究だけしていればいい、というわけではないのです・・
・・社会や政治とつなぐ仕組みを築くことです。欧米諸国には、エネルギーから国土の安全、農業に至るまで国策全般にわたって、科学的根拠に基づいた選択肢を示し、それをもとに政治が判断する仕組みがあります。科学顧問を中心に専門家の知恵を集めて政府に助言し、政府は必ずしもそれに従わなくてもいいが、その場合は理由を明らかにする、といった手続きも決まっています。たとえば、ドイツの指針には、科学者が助言する場合の独立性、透明性の原則があります。さらに、政策助言における知識は学術的な知識を超えることが必要とあります。
欧米の議会には、科学や技術を評価する機関があります。原発事故をめぐって国会に初めて事故調査委員会ができましたが、これからは、国会にも科学技術をきちんと評価する役割が求められると思います・・
(それが)決定的に欠けていました。日本の科学や技術は大変立派だが、社会や行政、政治の中で生かすための仕組みが機能していないのではないか。日本の実情をよく知る外国人にいわれたことがあります。科学的な判断ができ、組織運営にも通じた実務家が日本では評価されていない、との指摘もあります・・
詳しくは、原文をお読みください。

日本の技術の実力

日経新聞1月26日朝刊「アルジェリア人質事件」の記事によれば、世界の液化天然ガス(LNG)の製造設備は、日揮と千代田化工建設の日本の2社を含め、4社で世界の8割を占めているとのことです。
同じく「温水洗浄便座の開発」の記事では、発売以来30年で、7割の家庭で使われているとのことです。あのウオッシュレットの中に、160個の部品が詰まっています。

25年度予算折衝

今日27日(日曜日)は夕方に、財務大臣と復興大臣の平成25年度予算要求折衝に同席しました。福島での新しい交付金の新設などが、認められました。合わせて、5年間で19兆円とされていた財政フレームも、6兆円上積みされ、25兆円となりました。24年度補正予算までに、既に17兆円あまりを予算化していたので、残りが1.5兆円ほどになっていました。今回の見直しで、被災地の皆さんに心配をかけることなく、事業を実施することができます。
もちろん、予算を確保しただけで、現地の復興が進むわけではありません。これをいかに効果的に使うかが、私たち復興庁や自治体の責務です。
特に、これらの財源のうち10兆円あまりは、国民や企業の増税でまかなっています。所得税については、今月から所得税額に2.1%の税率で上乗せがされています。これは、今後25年間続きます。個人住民税も6月から、年に1,000円上乗せされます。それを考えると、ますます無駄に使うわけにはいきません。
なお、復興財源を捻出するため、国家公務員の給与は、昨年から7.8%削減されています(管理職は10%程度の削減、若い人は削減率を低くしてあります)。

子どもみたいな日記、調子のよい土曜日

今日は土曜日。ゆっくりと出勤して、打ち合わせ。電話が入らず、来客がないと、仕事ははかどりますねえ。さらに、たまっていた書類を片付け、温めていたアイデアをメモにまとめたり。休日なのに「攻撃」してくる職員の相手をしつつも、平日にはできない仕事がどんどん進みました。そんなことで、昼ご飯を食べそびれて、ダイエットもできました(苦笑)。
帰り道に、紀伊國屋書店に寄ったら、仕事が進んで調子がよかったことに加え、2週間ほどご無沙汰していたので、ついつい買ってしまいました。一度かごに入れた本のうち、半分ほどは、「これを読む時間はないなあ」と反省して、棚に返したのですが。今日買い込んだ本を読み始めたら、今読みつつある本が、途中で放り出されることになります。反省。
さらに、ご近所の地酒専門店で、一升瓶を買い込み・・。これで、ますます読めなくなりますね(無計画かつほとんど反省していない猿)。