岡本全勝 のすべての投稿

この2か月間の仕事

今日13日、衆議院予算委員会で、復興に関する集中審議が7時間行われました。
昨年暮れに新政権になり、2か月余りが経ちました。内閣発足と同時に、復興に関して総点検の指示が出ました。職員と一緒に年末年始を返上して、課題を抽出しました。1月10日に官邸で復興推進会議を開き、総理からいくつかの指示(体制強化、予算枠の見直し、住宅再建目標明示、福島早期帰還プラン作成)をもらいました。
1月29日にも復興推進会議を開き、福島・東京2本社体制を決め、5年間で25兆円の予算枠としました。他方、1月15日に補正予算、1月29日に当初予算を決め、新しい交付金などを盛り込みました。
2月7日には復興推進委員会から提言が出され、3月6日には与党から緊急提言が出ました。3月7日には、再び復興推進会議を開き、福島早期帰還プラン、住宅工程表などを発表しました。8日には、福島特措法の一部改正法案を国会に提出しました。その間、2月17日には福島で国と地方との協議会を開き、また随時、住民意向調査を公表しました。
総理からもらった指示は、ひとまず回答を出しました。今日の国会質問では、これまでに決めた施策を、お話しすることができました。もっとも、方針や計画を決めたのであって、これからそれを実行しなければなりません。また、まだ答えていない課題についての、質問も出ました。
この2か月余り、職員は、よく働いてくれました。出先機関を入れて300人の所帯です。各省からの寄せ集め部隊で、これまでにない仕事を、こなしてくれています。
朝早く出勤すると、いすの上であるいは机にうっぷして、寝込んでいる職員がいます。今朝は、早朝の大臣答弁勉強会が終わった時に、大臣会議室のいすで寝込んでいる職員を起こしている同僚がいました。「おい、大臣レクは無事終わったぞ」と。当の本人は、それでもしばらく「意識不明状態」でした。答弁完成時間を見ると、25時(深夜1時)とか28時(朝4時)といった時刻が書かれています。申し訳ない。
「岡本統括官の弁当を邪魔する会」「岡本統括官の帰り際に仕事を持ち込む会」も、許すしかないですね。
職員に「ありがとう。ごくろうさま」と言いつつ、いくつも次の仕事を指示しました。私は、「悪い上司」です。

復興集中審議

明日13日、というかもう日が変わっているので今日、衆議院予算委員会で復興に関する集中審議が行われます。たくさん質問が出て、その答弁案作りにいそしんでいます。よって、今日は加筆を休みます。

震災をきっかけに変える社会


3月9日朝日新聞オピニオン欄、臂(ひじ)徹さん(おらが大槌夢広場事務局長)の発言から。
・・・過疎や貧困など社会問題解決を仕事とする「ソーシャルビジネス」の人材の密度は、今の被災地で、日本にかつてなかったくらい高くなっています。
元々、消防団や自治組織など「社会的責任」の意識が高い地域に、外から事業化のノウハウを持つソーシャルビジネスの人材が来た・・
官民の関係も変わりました。役場は復旧作業で手いっぱいで創造的な仕事はできないし、支援に来たNPOの対応をほとんどできず、「おらが」がその受け皿として、おびただしい人脈を築いた。元々官尊民卑な土地でもあったし、行政は町民を信用していませんでしたが、震災後は、町民が日本のどの地域にもないくらい「知恵袋」を持ち、成長しています・・
震災だけでは社会は変わりません。でも、変える力と継続があれば変えることができます。若い力に期待しています。

3.11二周年

今日は3月11日、発災から2年です。国立劇場では、政府主催の2周年追悼式が行われました。また、夕方には、総理の記者会見もありました。新聞やテレビは、記念の記事や番組で一杯でした。
NHKはインターネットで、記者の報告を連載しています。
2年前の3月11日を忘れてはなりませんが、私たちの仕事は復興を進め、被災者の生活をできるだけ早く元に戻すことです。
先日からこのページに書いていますが、多くのところで工事が始まっています。また、住宅建設の地区別予定も、示しました。原発被災地での復旧は、遅れています。賠償の支払いを急いでもらい、除染と復旧を進めなければなりません。来年の3月には、「これだけ進みました」とお示しできるように、関係者の協力を得てがんばりましょう。

経済同友会講演、2年間の総括

今日は、経済同友会に呼んでいただき、仙台で講演をしてきました。これまで2年間に政府は何をしたか、現地はどこまで復旧したか、これからの課題は何かなど、2年間の総括をしました。
発災直後の被災者支援から引き続き復興に携わっている者として、経過を整理し評価するのは、私の責務です(ただし、原発事故対応は私の所管外でしたので、別の方にお願いします)。
そのような観点から、レジュメと資料を作り直しました。レジュメの方は、これまでと余り変わっていませんが、資料を作り替えました。これまでにたくさんのデータが蓄積されているのですが、その時々のものなので、2年分を振り返るという視点からは、見にくいです。たくさんのデータを再整理して、簡単にわかるようにする必要があります。職員の協力を得て、作りました。順次、復興庁のホームページでも、公開します(まだ未定稿なので、確認が必要です)。
全体像を見るのは、案外難しいです。どのような視点から見るのか。そのためには、どのようなデータを選ぶか。インフラ復旧、仮設住宅や高台移転の進捗状況だけでは、今回の大災害の復旧は見えてきません。国土の復旧だけでなく、住民の生活の再建という視点が必要なのです。
そして、今回の大災害が日本社会に与えた変化や、復興に当たってどのような社会を作り上げるのか、といった日本社会論の視点などもあります。これは、数字では表すことはできません。合わせて、これまでにない災害に対して、国家行政(官僚)に問われていること(前例通りでは解決しないこと)。自治体、企業、NPO、住民の役割とは、などなど。視点は、たくさんあります。
今日のお話は、焦点を絞りつつも、欲張った内容になりました(いつものことですが)。マスコミにも公開されているので、「やや控えめに」お話ししました。歯切れが悪くなります。かえって疲れますねえ(苦笑)。