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市町村長アンケート。少し進み始めています

3月3日の朝日新聞に、被災地の市町村長42人へのアンケート結果が載っていました。1年前との比較が出ています。
岩手県では、復旧・復興が「どちらかといえば進んでいる」が5人(昨年は6人)、「どちらかといえば進んでいない」が7人(6人)です。宮城県では「進んでいる」が3人(0人)、「どちらかといえば進んでいる」が8人(12人)で、「どちらかといえば進んでいない」が4人(2人)です。「進んでいる」が出てきましたが、そのほかは改善されていません。
福島県は、「進んでいる」が2人(1人)、「どちらかといえば進んでいる」が5人(3人)、「どちらかといえば進んでいない」が4人(5人)、「進んでいない」が4人(6人)です。少し改善していますが、「進んでいない」が4人おられます。放射線量の高い地域では、帰還のめどが立たないのです。
復旧を妨げている要因を聞くと、「自治体職員の不足」が21人、「資材の不足や高騰」が21人、「業者や作業員の不足」が17人です。工事が本格化し、大量の事業が集中していることが現れています。
4日は、産業復興を取り上げていました。

復興検証の記事

3.11が近づき、各マスコミが特集を組み始めています。読売新聞は3月1日から、1面で復興の特集を始めました。「転機の復興」という表題です。見出しにはややセンセーショナルな言葉が使われていますが、記事の内容は客観的なものだと思います。
現地の事実に即して、進んでいる点、遅れている点、課題となっていることを伝えていただくことは、私たちにとってもありがたいことです。例えば、3日の記事では、集団移転工事について、進んでいる地区とそうでない地区を比較して、何が原因なのかを分析していました。
いつも書いていますが、抽象的に「遅れている」とか、「現地に寄り添って」と書かれても、何をどうしたらよいかわかりません。「この地区の、この事業の、この点が・・」と指摘していただくと、うれしいです。
1日の記事には、首長の発言を引用して「復興庁、被災自治体は評価」という記述もありました。ありがとうございます。

被災地視察

3月2日(日)、3日(月)と、被災地視察に行ってきました。青森県八戸市から、太平洋岸を南下し、岩手県宮古市まで。そして、宮城県気仙沼市から東松島市までを、車で見て回りました。
がれきの処理も終わり、道路などもきれいになっています。漁港は、多くの地区で復旧が終わっています。
他方で、各地域で、高台移転のための山の切り崩し、かさ上げのための土砂の搬入などの大工事が進んでいます。ただし、完成までには、まだ2年はかかります。課題も多いですが、自信に満ちた市町村長さんの話しぶりには、勇気づけられました。

県外自主避難者への情報提供

福島県からの県外自主避難者への支援を目的とした「情報支援事業」を行っています。避難者が多くおられる、北海道、山形県、新潟県、大阪府でです。その実施状況を、中間報告しました。
事業内容は、ニュースレターの配布、交流会、相談窓口などです。現地のNPOに委託しています。福島県や市町村も別途、いろいろな支援をしています。

人材派遣の支援

復興庁では被災地への人材派遣の試みとして、「WORK FOR 東北」という支援事業を行っています。企業から被災地へ、4人の方の派遣が決まったので、2月28日に公表しました。 既に、個人で採用された方もおられます。
この支援の特徴は、しっかりした「お見合い」です。発災直後の泥かきや片付けなどは、元気のある方ならどなたでも歓迎でした。個人ボランティアが、活躍できます。しかし、技術の要る長期的な仕事となると、「どなたでも結構です」とはいきません。時には、応援に行った人からは「こんな仕事をするために来たのではない」「条件が違う」という不満が出て、受け入れた自治体からも「せっかく来てくれたけど、仕事に必要な技能を持っていない」といったすれ違いが生じます。
個人でも企業にも、「応援に行きたい」という方は、たくさんおられます。そこで、先に述べたような「不幸」が生じないように、間に入って「お見合い」をしてもらうのです。民間の力を活用する、新しい行政の手法だと考えています。そこで、「新しい東北」という分類に入れています。
被災地へは、さまざまな手法で職員を応援に送っていますが、少し違った角度からの支援手法です。