岡本全勝 のすべての投稿

政権与党、自民党の変化

3月30日朝日新聞「月曜に想う」は、星浩特別編集委員の「単色の自民 多色に戻る日は」でした。「自民党内で、自由な議論ができなくなってきているということなのだろうか」ということについて、次のように書いておられます。
・・30年近く、自民党をウオッチしてきたが、確かに、昔のように右も左も、タカもハトも入り乱れて、時には灰皿を投げ合ったりして激論を交わす光景は見かけなくなった。なぜか。
私なりに整理すると原因は三つだ。第一に衆院に小選挙区制が導入されたことで、各選挙区の公認候補は1人に絞られ、競い合って候補者を擁立していた派閥の存在理由が薄れてきた。選挙資金も党役員・閣僚の人事も、総裁や幹事長が一手に握っているから、議員たちには、執行部に背くのは損だという計算が働く。
第二に小泉効果だ。小泉純一郎首相当時の郵政民営化騒ぎで、首相の意向に背くと党を除名され、選挙では刺客と呼ばれた対立候補を立てられる。こっぴどく痛めつけられる現実を見た政治家たちは、物を言わなくなった。
そして第三が野党経験。民主党に政権を奪われて3年余、官僚も業界団体も寄りつかない。早く政権に戻りたいという願望は強かった。民主党内の混乱ぶりを見て、「党内対立が政権の命取りになる」ことも実感した。かくして、老いも若きも首相の言いなりという「単色の自民党」ができあがった・・
詳しくは、原文をお読みください。

被災地での医師や看護師不足対策

読売新聞連載「被災者を考える」3月28日に、被災地での医師や看護師不足が解消しつつあることが、取り上げられていました。もともと不足気味であったところに、津波災害や原発事故で、医師や看護婦が少なくなりました。厚生労働省や県などの努力で、戻りつつあります。
記事では、南相馬市立病院が、紹介されています。常勤医が、発災直後に14人から4人にまで減りました。4月から、20人まで増えます。県外から、赴任してくださったのです。
看護師さんはまだまだですが、地元の看護学校卒業生が、地元での就職を決めてくれて、戻りつつあります。

春の日曜日

今日30日の東京は、あいにくの雨。桜の満開宣言も出ましたが。花見を楽しみにしておられた方は、残念でしたね。地下鉄四谷駅脇にある桜は、もう少しで満開です。きれいでした。明日からは、桜の名所は大変な人出でしょう。歓送迎会に、ぴったり合いましたね。
昨日今日、我が職場は、いつもの常連職員のほか、異動を控えた職員が整理のために出勤して、休日とは思えない状態でした。申し訳ない。私も、かなり資料整理ができました。もっとも、ある職員が指摘したように、「岡本統括官、3月11日から、テーブルの上の資料の山が、減ってませんね」。う~ん。
いろんな仕事が次々とたまるので、優先順位をつけると、急ぎでない資料は積み上がったまま「化石」になります。
前例がない仕事なので、先を読んで指示を出す必要があります。そのためには、現地からの要望、職員からの報告、新聞報道などの指摘といった「ヒント」をもとに、課題を整理し、復興庁の未来の仕事を組み立てる必要があります。他方で、このような先を読む「先導」(水先案内人)とともに、復興庁が進めている仕事を「後ろから点検」していくことも(掃除人、スイーパー)必要です。これらは、新しい分野に挑戦している民間企業では、普通のことでしょうね。
楽天イーグルスは、田中投手が抜けても、開幕3連勝。ゆったりした日曜は、日本酒もおいしいし。良しとしましょう。

歳をとったら、早く寝て目が覚める

ニュースでご覧になった方も多いでしょう。厚生労働省の検討会が、睡眠を健康的に取るための指針を、見直しました。その中に、年代別の適切な睡眠時間が書かれています(報告書p10)。
・・。夜間の睡眠時間は10 歳代前半までは8 時間以上、25 歳で約7 時間、その後20 年経って45 歳には約6.5 時間、さらに20 年経って65 歳になると約6 時間というように、健康で病気のない人では20 年ごとに30 分ぐらいの割合で減少していくことが分かっています。
一方で、夜間に寝床で過ごした時間は、20~30 歳代では7時間程度ですが、中年以降では長くなり、75 歳では7.5 時間を越えます。
昔から、年をとると徐々に早寝早起きの傾向が強まり、朝型化することが知られていますが、加齢による朝型化は男性でより強いことが分かっています・・
私も若いときは、とにかく眠たかったですね。それも朝です。夜は起きていられるのに、朝は布団から出たくない。皆さんも同じでしょう。でも、歳をとると、夜は早く眠くなり、朝も早く目が覚めるようになりました(総理秘書官時代の睡眠については、別途書きましょう)。
ところが、3年前に被災者支援の仕事について以来、しばらくは朝が早かった(いろいろ思いついて、寝ていられなかった)のですが、その後、朝が起きられなくなりました。休日は、いくらでも寝ていられるくらいです(原因は、参事官たちが私をこき使うからだと推測しています。笑い)。
他方、私は、寝付けないという経験が、まずはありません。いつでもどこでも、すぐに寝るという特技を持っています。歳をとってから、この技には磨きがかかり、特に日曜夜は「ダーウィンが来た」の途中で寝てしまいます。そしてキョーコさんに起こされて、お風呂に入って、少し本を読んでも、22時には寝てしまいます。

内閣法制局の役割

朝日新聞3月25日オピニオン欄「法制局 番人の未来」。石破茂・自民党幹事長の発言から。
・・政治家はこれまで、集団的自衛権が行使できないことをもっぱら内閣法制局のせいにしてきました。「私たちは行使を容認したいのだが、法制局が認めない」というのは、政治家のエクスキューズ(言い訳)だった。憲法によって「国権の最高機関であり唯一の立法機関」と位置づけられる国会の構成員として、一種の自己否定なのではないかと思います・・
・・内閣法制局は設置法によって「内閣に意見する」ことが任務とされており、議員立法に対して意見する権限を持ちません・・
・・そもそも集団的自衛権の行使が、わが国の自衛権として認められている「必要最小限度」に当てはまるかどうかは、安全保障政策上の判断であって、内閣法制局が憲法解釈として決めるべきことではありませんでした。「政策判断の問題だ」とすればよかったのに、歴代政権と内閣法制局が憲法解釈の世界に持ち込んでしまったことが誤りだったのではないでしょうか・・
同じく、福田博・元外務省条約局長、元最高裁判事の発言から。
・・その原因は東西冷戦時代に、自衛隊や在日米軍基地といった政治的にやっかいな問題が国会で議論されると、政治家が内閣法制局長官に答弁を丸投げしたことにあります。その結果、本来政策を語るべき政治家自らが、内閣法制局の法律論に振り回されているのが現状ではないでしょうか・・
・・また内閣法制局を「憲法の番人」などと言うのは間違いです。違憲審査権はあくまでも司法にある。民主主義は多数が決める政治ですが、その民主主義が行き過ぎた時にそれに歯止めをかけるのが司法の役割です。内閣の一部門である法制局に、暴走の歯止めをかけさせようというのは、土台無理なのです。
戦争を防ぐには法制局の憲法解釈ではなく、真に民主的な選挙で選ばれた政治家によるシビリアンコントロールこそ必要なのです・・