岡本全勝 のすべての投稿

会社が求めるのは大学の成績だけではない、2

・・ほかに求めるものは? 問題解決に向けて「責任感と当事者意識を持って参加する気持ちだ」。そして他者のより良い考えを受け入れる謙虚さ。「最終目標は問題解決に向けてみんなで協力して何ができるか。自分なりの貢献をしたら、身を引くこと」と説明した。
他者が貢献する場をつくりだす謙虚さだけでなく、「知的な謙虚さでもある。謙虚さがないと、学ぶことはできない」。一流ビジネススクールの卒業生の多くが伸び悩んでいるという調査があるが、原因はここにある。「頭の良い成功者はめったに失敗を経験しない。だから失敗から学ぶすべを身につけていない」
「それどころか彼らは、原因の判断において根本的な間違いを犯す。良いことが起きれば自分は天才、悪いことが起きれば誰かが間抜け、財源を得られなかった、市場が動いた、と。わが社で最も成功している人たちは熱い主張を持っている。徹底的に議論し、自分の考えを信じてやまない。でも『ここに新しい事実がある』と言うと、『ああ、そうか、それなら状況は変わるね。君が正しいよ』と言うだろう」。一人の中にプライドの高い自分と低い自分を同居させる必要がある・・
どの組織でも、基本は変わりませんね。

地震、エレベーターの緊急停止

今日午後、関東では、比較的大きな地震がありました。東京でも、震度4だったとのこと。その際に、初めてエレベーターの緊急停止を経験しました。復興庁の入っているビルで、地下の駐車場からエレベーターで6階に上っているときです。突然エレベーターが停止してドアが開き、「緊急停止します。降りてください」との放送がありました。「なんじゃいな」と思って降りたら、大きな揺れが来ました。けっこう長い時間揺れていました。最初の縦揺れは、感じませんでした。それでも緊急停止する。日立のエレベーターは優れものです。ふだん待っているときは「なかなか来ない」と悪口を言っていましたが、エレベーターに謝ります。

親米日本、その理由。吉見俊哉先生

4月8日の読売新聞「戦後70年想う」、吉見俊哉・東大教授の「米国の支え、揺らぐ時代」から。(1か月以上前の記事です。書こうと思いつつ、半封筒に入れたまま、鞄に眠っていました)
・・・親米を説明する3つの通説がある。まず「米国は民主主義をもたらし、復興を支援してくれた。感謝すべきだ」という説。それが本当なら日本人は義理堅いことになるが、私には疑問だ。次に「米国大衆文化の虜になったからだ」との説。だが、米国文化の影響は世界的で、日本は特別ではない。「占領改革で日本が骨抜きにされたから」という説もある。だが、日本の社会構造、ものごとの決定の仕組みはあまり米国化していない。
私は「米国こそが日本が戦後もアジアで支配的な地位を保ち続けることを可能にしたからだ」と考える・・・
・・・日本は戦後、アジアの経済的中心として栄える。戦前までの軍事的中心ではなくなるが、中心であることは変わらない。日本が明治維新以来の近代化で築き上げた「アジアの中心的地位」は連続する。一方で「米国に最も近い国」という地位も得た。戦前・戦中の振る舞いを巡る、近隣諸国からの激しい対日批判は抑えられた。日本は自らを変えないまま、この優位性を保つために「米国に最も近い国であり続けなくてはならない」と意識するようになる・・・

22日放課後の勉強会に参加された方へ

私の話に出てきた拙稿は、次の通り。
(1)1990年代の行政改革が単にスリム化だけではないことは、「行政改革の現在位置~その進化と課題」年報『公共政策学』第5号(2011年3月、北海道大学公共政策大学院)。図表はp39に載っています。
(2)社会の変化とリスクの変化、行政の対応については、連載「社会のリスクの変化と行政の役割」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2010年10月号から2011年4月号。

2時間半並びました。鳥獣戯画

今日は午後から、「鳥獣戯画展」(東京国立博物館)を敢行。6月7日で終わるので、あと2週間しかありません。平日はとても無理なので、土日しかありません。すると、ほとんど行ける日がありません。
先週17日の日曜日に、息子に誘われて「大関ヶ原展」(江戸東京博物館)に行ったのです。数週間前に出かけていったのですが、余りの待ち時間に、あきらめて見ずに帰ってきました。17日はもう後がないので、前日に電子チケットを買い、当日朝9時半始まりのところ、8時半に並びました。これは効率的でした。もっとも、開館1時間前に並んでいるので、1時間待ちと同じでした。今朝も、その手を使おうと思ったのですが、いろいろやっているうちに時間が過ぎてしまいました。インターネットで調べたら、開館時点で、入場まで60分、お目当ての「鳥獣戯画甲」までさらに90分とのこと。昼に確認したら、入館に120分、「甲」まで160分とか。う~ん、東京中の人が上野に行っているのか。
よって、15時45分に東博に到着。この時間なら減っているだろうというもくろみです。入館は待ち時間なし。他の展示を見て、16時半に「甲」の列へ。少しは短くなっているかと思ったら、依然として160分待ちでした。「係員も少しはサバを読んでいるだろう」と期待しましたが、正確でした。150分(2時間半)並んで、3分間見せてもらいました。待っている間に、邪魔も入らず、少し硬めの本を読むことができました。照明が暗かったですが。こんなに並んだのは、「清明上河図」(2012年1月2日)以来ですかね。見終わったら、夜の7時過ぎでした。家に着いたら8時過ぎ。5時間、飲まず、トイレにも行かず、立ちっぱなし。
筆と墨で書いてある、勢いのある漫画です。かなりの達筆な人(当時は、僧侶か公家しかいませんが)でしょう。巻物になるのですから、何が物語り(ストーリー)があるのでしょうが。