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経済界の復興協力

経済同友会は、発災以来、様々な形で被災地支援をしてくださっています。広報誌『経済同友』6月号にも、「国連防災世界会議 パブリック・フォーラム防災シンポジウム。東日本大震災の経験・教訓を踏まえた防災への取り組み」などが載っています。また、裏表紙には、「福島県産品販売等支援協力のお願い」として、加盟企業の協力実績が載っています。ありがとうございます。

早朝勤務、残業削減

今日から「ゆう活」が始まりました。簡単に言うと、「残業せずに早く帰りましょう」ということです。日本のホワイトカラーが長時間労働をすること、その割には生産性が低いことは有名です。霞が関では、勤務時間を1時間早くすることが始まりました(ワークライフバランス)。原則9時30分~18時15分であるところを、8時30分~17時15分とするのです。
復興庁でも、この勤務時間を原則としました。今朝は、ほぼ全員が8時半に出勤。夕方、残業せずに帰ったかどうかは、明日確認します。私は率先して、17時15分定時に退庁したので、職員が何時に退庁したかわかりません。
9時半始まりという、これまでの原則がおかしいと、私は考えています。市町村役場も多くの企業も、8時半には仕事が始まっています。この霞が関独特の出勤時間は、通勤電車の混雑緩和が理由だと聞いたことがあります。本当ですかね。
国会開会中は、閣議は8時半開始が通常です。すると、大臣が閣議から戻ってこられても、幹部職員が出勤していないなんて、世間では通用しませんわね。国会の審議も、9時始まりが多いです。なのに、職員の多くが9時半出勤というのも、おかしな話です。もちろん、国会の答弁案作成のために、中堅若手職員が深夜まで残業しているという事情はあります。
私は、以前から、8時半~17時15分を勤務時間としています。実際は、8時前後に出勤し、18時までには退庁(異業種交流会に出発)しています。この際、1時間早めて、7時30分~16時15分にしようかと思いましたが、部下から反対されました。「次官がそんなに早く退庁されては、困ります」とのことです。しかし、職員が出勤するまでの時間帯が、私にとって「稼ぎ時」だったのです。
民間の友人や知人には、私より早い人がたくさんいます。S君(大企業の幹部)は、若いときから、弁当を2つ(朝食と昼食)持って、7時台には出勤しています。Hさん(中規模会社の社長)は、7時には出勤しています。それぞれ、「早朝は仕事がはかどる」とのこと。2人とも、毎日18時過ぎには「異業種交流会」や「教養を高める会」に励んでいます。

復興特区、課税特例による産業振興の実績

復興特区の課税特例活用実績を公表しました。復興特区制度には、2つの仕掛けがあります。一つは、まちづくりの面的整備の特例です。もう一つは、今回紹介する産業振興です。公表資料を見ていただくと、この特例措置によって、どの程度の投資が行われ、雇用が生みだされたかがわかります。それによると、投資実績は1.2兆円、雇用実績は10万人です。そして、ほぼ計画通りに実績が上がっています。
復興庁では、何をしたかだけでなく、何ができたかを、公表するようにしています。しかもそれは、霞が関で何ができたか(予算を取った、通達を出した)ではなく、被災地で何ができたかです。

家族サービスという言葉

先日あるところで、指摘され批判されました。「家族サービスは大丈夫か?」というセリフです。
職場で仕事熱心な部下に対して、この言葉がでます。話している方(私)は、部下をいたわっているつもりです。でも、よく考えると、これは「夫は職場、妻は家庭」という固定観念に縛られた発言ですね。家族は、サービスする対象なのでしょうか。仕事を優先し、家庭は犠牲にしてもよいという発想からしか、出てこないセリフでしょう。という私も、家族サービスどころか夫や父親としての義務すら、果たしてきませんでした。すべてキョーコさんにお任せでした。今さら遅いですが、反省。

被災地の復旧と課題を伝える報道

6月27日の日経新聞が、福島特集を組み、ボランティアの活動を伝えています。
岩手県と宮城県では、当初の避難所での支援やがれき片付けが1年以内で終わり、その後は被災者の生活支援、まち作り支援に活動内容が変わっています。しかし、原発避難区域では、被災者がほかの地域に避難していること、また避難指示が続いている地域も多いことから、両県とは違った状況にあります。今後、避難指示が解除され、住民が戻ってきます。すると、片付けなどの作業が出てくるのです。この記事のように、ボランティアの活動状況とその必要性を伝えてくれることは、ありがたいです。
日経新聞は29日の「地域で克つ」でも、宮城県気仙沼市の挑戦を伝えてくれています。市の主要産業である造船と水産加工について、震災を機に会社の合併や工場の集約が進んでいます。生き残りをかけての挑戦です。そこに、わかりやすい数字が帯グラフで示されています。水揚げ量は震災前の8割、金額では9割まで回復しました。しかし水産加工品の出荷額は、震災前の6割です。これをさらに引き上げることが、町の復興に必要なのです。いつも書いていますが、インフラと工場を復旧しただけでは、売り上げも町の賑わいも戻りません。
何が復旧しつつあり、何が課題として残っているか。それを、客観的かつバランスよく伝えること。「風化させてはいけない」と叫ぶより、このような記事の方が、国民に実情を伝え、被災者を元気づけ、関係者に何をしなければならないかを知らせてくれます。ありがとうございます。